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朝ドラ「風、薫る」のモチーフは看護師の先駆者「大関和」胸に残る父の言葉

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  • 真山 知幸 伝記作家、偉人研究家、芸術修士(MFA)
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そんななか、母のシカは一家の大黒柱となって夏は農家を手伝い、冬は重労働の荷運びをして、なんとか日銭を稼いだ。

過酷な状況にあった野口家に、唯一といってよい光が差し込む。英世が数えで8歳のときに小学校に入学すると、成績優秀で、試験でも年長者をも上回る点数を獲得したのである。

しかし、生活の貧しさから教育面に支障が出ることもあった。家庭の状況が考慮されて授業料こそ免除されたものの、教科書代や学用品代の負担が重くのしかかってくる。

少しでも母を助けようと、英世は川でドジョウを獲って近所に売り歩いたりしたこともあった。ところが、母からはこう叱られてしまう。

「お前は学問をして身を立てねばならぬ。そのためにお母アはつらい働きもしているんだ。ドジョウ売りをする時間に、なぜ本を読んではくれぬ」

これだけ母の思いを受ければ、勉強も熱心にならざるを得ないというものだろう。

弟が生まれたため、その子守もしなければならなくなるなど、困難はあったものの、英世は小学校を優秀な成績で卒業。学問への情熱は教師からも一目を置かれて、猪苗代高等小学校に進学。その後も学問で自分の道を切り開いていく。

「万能の天才」ゲーテを培った父の言葉

小説家、詩人、戯曲家と多方面で活躍した文学者でありながら、行政や政治にも携わったほか、色彩の研究にも従事して「万能の天才」と呼ばれた、ヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテ。

彼もまた幼少期は、熱心に勉学に励んだ。ギリシア語、ラテン語、フランス語、イタリア語、英語、ヘブライ語など幅広く語学を学びながら、乗馬やダンス、ピアノまで習得したという。法学博士の父の影響を受けて、自身も大学では法律を学ぶ道へと進んだ。

ゲーテの父は苦心して法学の博士号を取得した。だが、息子はといえば、楽々とさまざまな知識を吸収しているように見えた。だから、その様を見て「もっと必死に打ち込んだならば……」というもどかしい思いを父は抱く。息子には、次のような言葉を繰り返しかけたという。

「もしわしにお前ぐらいの素質があったら、全然別のやり方をしただろう。そしてお前のようにふしだらに才能を浪費するようなことはしなかっただろう」

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【息子への苦言であり、最大の賛辞】

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