短納期開発の圧力、アクティビストの台頭… 日本が「モノづくりで勝てなくなった」根本理由

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日本企業は今、「株主のための会社」か、「従業員の共同体」かという二項対立を超え、技術と雇用を守りながら資本市場の規律も受け入れる「日本版ステークホルダー資本主義」の確立を模索しています。それは、かつての「甘えの構造」を排除し、緊張感を持った「稼ぐ組織」へと脱皮できるかどうかの瀬戸際なのです。

日本企業が到達した極めて現実的な「解」

ガバナンス改革の最前線で激しい攻防をくり広げているのが「アクティビスト(物言う株主)」です。

その象徴的な事例が、流通大手セブン&アイ・ホールディングスを巡る攻防です。

カナダのアリマンタシオン・クシュタール(ACT)は、25年前半、セブン&アイに総額7兆円規模とも噂される巨額の買収提案を行いました。しかし、25年7月16日、ACTは提案を撤回しました。セブン&アイ側が、コンビニ事業を国の安全保障に関わる「コア業種」へ指定変更するよう働きかけ、外為法(FEFTA:外国為替及び外国貿易法。日本の安全保障や公の秩序を守るため、外国企業による日本企業への投資を審査・規制する法律)による監視規制を盾に、買収のハードルを実質的に引き上げたからです。

しかし、この外圧がセブン&アイの解体的な構造改革を決定的なものにしました。

セブン&アイは、祖業であるイトーヨーカ堂を含むスーパーマーケット事業を完全分離し、「株式会社ヨーク・ホールディングス」を設立。25年3月、その株式の一部を米投資ファンドのベインキャピタルに8147億円で売却する契約が発表されました。25年5月の株主総会を経て、外国人プロ経営者スティーブン・デイカス氏が新社長兼CEOに就任しました。

これにより、セブン&アイ本体は高収益なコンビニエンスストア事業に特化した「グローバルCVS企業」へと変貌します。

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