短納期開発の圧力、アクティビストの台頭… 日本が「モノづくりで勝てなくなった」根本理由

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これは、日本企業がようやく「株主資本にはコストがかかる」という資本主義の基本原則を内面化し始めたことを意味します。つまり、長年許されてきた「物言わぬ株主」に甘える経営は終わりを告げ、市場からの規律と正面から向き合う時代が到来したのです。

ガバナンスを語る上で避けられないのが、「誰のための経営か」という根本的な問いです。

欧米企業では「企業は株主のものであり、株主価値を最大化することが経営者の仕事」という考え方が支配的です。一方、日本企業では「企業は従業員のものであり、雇用を守ることが最優先」という考え方が根強く残っています。

高市政権が企業に強く求めること

この違いが顕著に表れるのが、不採算事業の整理です。

欧米企業は収益性の低い事業をためらいなく売却しますが、日本企業は「従業員の雇用を守る」という理由から不採算事業を抱え続けることが多いのです。その結果、企業全体の収益性が低下し、成長投資に回せる資金が不足し、競争力そのものが失われていく悪循環に陥ります。

ただし、注目すべき変化も起きています。

高市政権は、コーポレートガバナンス・コード(上場企業が守るべき企業統治の原則をまとめた指針)の見直しを示唆しています。

高市首相は企業の内部留保を単なる株主還元や現預金として寝かせるのではなく、国家の強靭化に資する国内設備投資、防衛・宇宙・AIなどの先端研究開発、そして高度人材への投資に回すことを強く求めています。これは「国力を高めるための民間投資」を促す、高市流の「積極財政・民間版」とも呼べる圧力です。

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