イカナゴは壊滅的に獲れなくなった…日本の魚を減らした"真犯人"の正体

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さらに詳しく解説すると、上記の漁獲量は、大西洋でイカナゴを漁獲している海域を6つに分けた合計になっています。海域によっては禁漁している海域もあります。ノルウェーでは昨年(2025年)は、予防的措置を適用して禁漁しました。

実際には、ノルウェー海域に隣接する周辺海域であるEUでは、1隻でひと網1000トンといった漁が行われていました。ノルウェー海域でも漁獲しようと思えば漁獲はできます。しかしながら、ノルウェーのイカナゴ漁は国際的な水産エコラベルである「MSC漁業認証」を取得しており、無理はしません。資源が十分に回復したのちに、再び漁が開始されます。

日本のように資源を根絶やしにしてから神頼みするのとはわけが違うのです。さらに付け加えると、イカナゴはほかの魚やクジラなどのエサになる魚です。漁獲枠の設定に際しては、生物多様性を十分に考慮して数量が設定されます。昨年末のスルメイカで起きた漁期途中の度重なる増枠のように、人間の都合だけで漁業を考えることはありません。

日本全体の視点でイカナゴが減った理由を考える

瀬戸内海という狭い視点でイカナゴ減少の理由を探すのではなく、全国という視点で、①海水温上昇、②水がきれいすぎる、③他の捕食者が増えたから、といった理由の矛盾点を見ていきます。なお、これらの要因に影響がないと言いたいわけではありません。ただ、それだけを主因として説明しようとすると、うまく説明できない点が出てくるということです。

①海水温上昇……イカナゴが減ったのは瀬戸内海だけではありません。陸奥湾が2013年、伊勢・三河湾が2016年、福島沖が2019年、仙台湾が2019年、北海道の宗谷海峡が2023年、そして播磨灘・大阪湾が2024年に減っています。仮に海水温上昇だけが主因であれば、最初に減るのは日本の南のほうからではないのか、という疑問が出てきます。少なくとも、最大要因である「漁業」という理由にほとんど触れない説明だけでは、十分ではありません。

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