部下への「配慮」が裏目に出ないフィードバックの技術3つ――成長させる介入の手法・タイミング・伝え方の最適解

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ほめ言葉が儀礼的なものとして無視されるようになり、部下は本題となる指摘を警戒して待つようになり、最終的にはポジティブなフィードバックそのものの信用が失われてしまうのです。

一流の上司は、こうしたリスクを正確に理解しており、部下の感情的な抵抗が非常に強く、かつ修正すべき内容が軽微な場合にのみ、この手法を限定的に使用しています。

フィードバックはタイミングが重要

多くの日本企業では、半年や1年という節目に行われる評価面談が、実質的に上司がフィードバックを行う唯一の機会となっています。このように間隔を空けて評価を伝えることは、本来の育成とは呼べず、実際には判断を先送りにしているに過ぎません。

世界で活躍する一流の上司たちは、部下へのフィードバックを自分の中にため込むことをしません。彼らは望ましい成果が出た瞬間や、行動に逸脱が生じた瞬間に、その場ですぐに介入を行います。

フィードバックは実施までの時間が経過するほどその価値が低下し、放置された問題は本人の習慣として定着してしまいます。フィードバックの頻度が少ない組織では、結果として常に同じ問題が繰り返されることになります。

上司から頻繁なフィードバックがないと、部下の不満や疑問が生じやすくなって、モチベーションの低下を招きます。

評価面談の際に、「サイレント減点」(明確な指摘がないまま、評価結果が下げられる)や「ビックリ評価」(評価基準が明示されないため、部下が評価結果に不満を持つ)などの問題が発生するのは、上司のフィードバック不足が原因であり、日本企業に特有の「珍トラブル」といえます。

欧米企業や外資系企業の上司は、部下へのフィードバックを場当たり的に行うことはありません。彼らは対話に臨む前に、どのような目的で何を伝えるべきか……という戦略を入念に練り上げています。

【戦略①】「客観的データ」を示す

世界の一流の上司のフィードバックは、個人の主観的な感想ではなく、常に客観的な基準に基づきます。具体的にはKPIやOKRといった指標を用い、実際の成果と期待値との間にどのような差分が生じているのかを明確に提示します。

・KPI(重要業績評価指標) 目標達成までのプロセスを数値で示す
・OKR(目標と主要な結果) 目標達成度を数値で示す
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