日本の外交に日米同盟を見直す「プランB」は可能か、現状で考えられる3つのプランBの中身は
日本側は、アメリカ側と合意している総額80兆円の投資のうち、先に合意している約5兆円に加えて新たに約11兆円分を発表。トランプ大統領から高い評価を得た。それが首脳会談にも好影響を与えたことは間違いない。
そもそもこの対米投資は、トランプ政権が一方的に25%の関税をかけてきたのに対して、日本側が軽減を求めた結果、関税を15%に引き下げる代わりに80兆円の対米投資を行うことで合意したものだ。
トランプ大統領の相次ぐ掟破り
第2次トランプ政権は、WTO(世界貿易機関)が進めてきた自由貿易に反する相互関税を世界各国に対して、一方的にかけ始めた。一部はアメリカの連邦最高裁から違憲判決が示され、撤回を余儀なくされたが、トランプ氏は貿易赤字削減のために関税をかける手法をあきらめていない。
加えてトランプ氏は国連の関係機関からの離脱や温暖化防止条約からの撤退などを次々と打ち出し、さまざまな国際協力の枠組みを否定している。自由貿易や国連主導の課題解決をリードしてきたアメリカの姿は過去のものになっている。NATO(北大西洋条約機構)の加盟国や日本、韓国などの同盟国に対しては、さらなる国防費・防衛費の増額を迫っている。
日本との関連では、トランプ大統領は軍事的台頭を続ける中国に対して「同盟による抑止より経済的ディール(取引)」で対応しようとしている。今秋の中間選挙を控えて、農民票などを確保するため、中国にアメリカ産の大豆やトウモロコシなどを売り込もうと懸命だ。従来のアメリカ政府が重視してきた人権や法の支配といった民主的価値観は軽視されている。日本頭越しの米中接近が現実味を帯びてきている。
圧倒的な軍事力と経済力を誇る一方で、国際法違反の先制攻撃、自由貿易のルールから逸脱した一方的な関税措置、国連を中心とした国際協調主義の放棄、中国との理念なき妥協……。そうしたトランプ政権に向き合う時、日本側は「日米同盟一本足打法で、アメリカに付き従うだけでよいのか」という問題意識がプランBという発想の底流にある。





















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