JR東日本「荷物新幹線」、白い外観に隠された意味 目標は売り上げ100億円、1編成だけで足りる?
下ろされた台車は6台単位でAGV(無人搬送車)につなげられていく。そしてAGVに牽引され、配送業者のトラックに向かっていった。東京新幹線車両センターには4台のAGVが配置されている。無人のAGVが台車を牽引して行き交う様子はまるで列車のように見えた。
荷物専用の新幹線を走らせる構想は古くからあった。そもそも東海道新幹線の建設に際しても、プロジェクトの経済性を高めて世界銀行から借款を得やすくするため、旅客列車に加えて貨物列車も運行させる計画も提示された。
1981年には東海道新幹線の「こだま」で書類などの小口荷物を運ぶ「新幹線レールゴー・サービス」がスタート。その後、東北・上越新幹線にも広がった。
小口輸送で「はこビュン」事業化
2012年にはJR九州の初代社長を務めた石井幸孝氏らによる、深夜時間帯に貨物新幹線を走らせるという提言が官民連携のプログラム「エコジャパンカップ2011」で優秀賞を受賞した。石井氏によれば、審査員から「こんなよい提案がなぜ初耳なのか」と質問が出るほどだったという。
石井氏はこの頃からE3系や300系新幹線を専用車両に改造し、青森から鹿児島まで貨物新幹線を運行させるといった構想を描いていた(週刊東洋経済臨時増刊『鉄道完全解明2013』)。
一方、JR東日本はレールゴー・サービスと並行して、新幹線を活用したより本格的な荷物輸送サービスの検討を進めてきた。2017年に新潟駅や山形駅などから新鮮な野菜や果物を輸送し、東京駅で販売した。このときの荷物は地産品が中心で東日本エリアの地域活性化が狙いであった。その後も実証実験を繰り返し、2021年には非食品も対象として、段ボール数箱~10箱単位の小口輸送を対象に「はこビュン」としてビジネス化した。レールゴー・サービスは「はこビュンQuick」という新サービスに継承された。





















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