高条件でも結婚できない…「緩やかな支配」の正体――婚活の場で豹変、親思いの47歳弁護士がゆずらなかった"正論の刃"

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面談で筆者は、さとしに伝えた。

「次のデートで真剣交際を正式に申し込んでみたら、どうですか?」

彼は安心したように、大きくうなずいた。

ところが、3日後。さとしから1本の連絡が入った。

「やはり真剣交際には進まず、この交際は終了したいと思います」

さとしが語った理由「実は…」

彼の声は沈んでいた。理由を尋ねると、しばらく沈黙したあと、静かに口を開いた。

「実は、母が反対していて……」

地方に住む両親に、わかとの交際を週末の昼間、電話で話したという。そしてその日の夜遅く、母親から電話があった。

「母が言うんです。『いろいろ考えてみたんだけどね。お相手の方、専門学校卒で、聞いたこともない会社にお勤めじゃない。近所で中高同級生のお母さんたちに会ったとき、そんな女性と結婚したなんて恥ずかしくて、言えないなって』って」

今どきこんな時代錯誤なことを言う母親がいることに、筆者は驚いた。そして、思わず尋ねた。

「お母さまの結婚ではなく、さとしさん、あなたの結婚ですよね?」

すると彼はややあって、こう答えた。

「そうなんですけど……。親から祝福されない結婚をして、実家との関係がギクシャクしたら、将来、生まれてきた子どももかわいそうな気がして」

そして、この交際は終了となった。

幼い頃から、常に家は母親が仕切ってきたという。母の意見はいつも正論だったので、そこにさとしは従ってきた。また、父は淡々と仕事をするタイプで、家のことや子どものしつけは母に任せっきりだった。

彼には、“母親に支配されている”という自覚はなかった。しかし、幼い頃から教育熱心で、進学や就職を支えてくれた母。そんな生育環境の中で、いつの間にか彼の人生における重要な選択には、常に“母親がどう思うか”という基準が植え込まれていったようだった。

「自分の選んだ女性のことで母とトラブルになるのなら、母が納得のいく女性を選んだ方が面倒なことが起こらないし、安泰で幸せな結婚生活が送れる気がするんです」

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