米や酒だけじゃない!「雪室熟成肉」や伝統調味料「かんずり」 …美食家がいま《新潟》に注目するワケ

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

妙高市の伝統調味料「かんずり」が象徴的である。唐辛子を雪にさらす「寒ざらし」でアクを抜き、3年以上熟成させる。この独特の旨味は、フレンチのシェフが「和のチリソース」として隠し味で使うほど汎用性が高い。

かんずりはフレンチのシェフが「和のチリソース」として隠し味で使うほど汎用性が高い
妙高市の伝統調味料「かんずり」はフレンチのシェフが「和のチリソース」として隠し味で使うほど汎用性が高い(写真:新潟県観光協会提供)

上杉謙信の時代から続く「浮き糀味噌」や、酒粕を用いる南魚沼の「山家漬」も同様だ。厳しい冬を生き抜くための生存戦略が、現代では唯一無二の高付加価値コンテンツへと昇華している。

酒粕を用いる南魚沼の「山家漬」
酒粕を用いる南魚沼の「山家漬」(写真:新潟県観光協会提供)

驚くべき甘みを放つ「雪室熟成肉」や「雪室珈琲」

現代技術との融合も見事だ。天然の冷蔵庫「雪室」は湿度90パーセント以上で、安定した低温を維持する。ここで熟成された「雪室熟成肉」や「雪室珈琲」は、酸化を抑えつつタンパク質をアミノ酸へ分解し、驚くべき甘みを放つ。

雪室。ここで熟成された「雪室熟成肉」や「雪室珈琲」は驚くべき甘みを放つ
雪室。ここで熟成された「雪室熟成肉」や「雪室珈琲」は驚くべき甘みを放つ(写真:新潟県観光協会提供)

さらに、1890年創業の「岩の原葡萄園」を筆頭に、角田浜一帯の「新潟ワインコースト」には複数のワイナリーが集積。砂丘地帯特有のテロワールを活かしたアルバリーニョなどの品種は定評を得ている。

岩の原葡萄園(写真:岩の原葡萄園公式HPより)
岩の原葡萄園。角田浜一帯の「新潟ワインコースト」には複数のワイナリーが集積する。(写真:岩の原葡萄園公式HPより)

新潟には、飲食店に信頼される生産者たちがいる。

「内山農園」は高品質で多くの品目の食材を栽培しており、料理人からの要望にも応じている。1年に80品目生産していたが、90品目ほどに増えた。「菅井農園」は品質のよいブドウはもちろんのこと、裏の山で狩猟したジビエも提供するとあって、飲食店から重宝されている。「ミネラル工房」は磯浜の海水をくみ上げて薪釜で濃縮し、最後に湯煎でゆっくりと結晶化させて塩を作る。手間はかかるが口溶けのよい塩だと、料理人から信頼されている。

ミネラル工房の商品「白いダイヤ」(写真:ミネラル工房公式HPより)
口溶けのよい塩をつくると料理人から信頼されているミネラル工房の商品「白いダイヤ」(写真:ミネラル工房公式HPより)

かつて日本の一次産業は、効率重視の大量生産が主流であった。しかし現在の新潟では、料理人と生産者が対等に語り合い、理想の食体験を共創している。

次ページ本物の地産地消へ
関連記事
トピックボードAD
ライフの人気記事