米や酒だけじゃない!「雪室熟成肉」や伝統調味料「かんずり」 …美食家がいま《新潟》に注目するワケ
妙高市の伝統調味料「かんずり」が象徴的である。唐辛子を雪にさらす「寒ざらし」でアクを抜き、3年以上熟成させる。この独特の旨味は、フレンチのシェフが「和のチリソース」として隠し味で使うほど汎用性が高い。
上杉謙信の時代から続く「浮き糀味噌」や、酒粕を用いる南魚沼の「山家漬」も同様だ。厳しい冬を生き抜くための生存戦略が、現代では唯一無二の高付加価値コンテンツへと昇華している。
驚くべき甘みを放つ「雪室熟成肉」や「雪室珈琲」
現代技術との融合も見事だ。天然の冷蔵庫「雪室」は湿度90パーセント以上で、安定した低温を維持する。ここで熟成された「雪室熟成肉」や「雪室珈琲」は、酸化を抑えつつタンパク質をアミノ酸へ分解し、驚くべき甘みを放つ。
さらに、1890年創業の「岩の原葡萄園」を筆頭に、角田浜一帯の「新潟ワインコースト」には複数のワイナリーが集積。砂丘地帯特有のテロワールを活かしたアルバリーニョなどの品種は定評を得ている。
新潟には、飲食店に信頼される生産者たちがいる。
「内山農園」は高品質で多くの品目の食材を栽培しており、料理人からの要望にも応じている。1年に80品目生産していたが、90品目ほどに増えた。「菅井農園」は品質のよいブドウはもちろんのこと、裏の山で狩猟したジビエも提供するとあって、飲食店から重宝されている。「ミネラル工房」は磯浜の海水をくみ上げて薪釜で濃縮し、最後に湯煎でゆっくりと結晶化させて塩を作る。手間はかかるが口溶けのよい塩だと、料理人から信頼されている。
かつて日本の一次産業は、効率重視の大量生産が主流であった。しかし現在の新潟では、料理人と生産者が対等に語り合い、理想の食体験を共創している。



















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