"万年2位"のスーツの会社が、なぜ「快活CLUB」を始めたのかー事業多角化で絶好調、AOKI流「両利きの経営」の真髄
当時、カラオケは若者を中心に広がりを見せていた。
一方、AOKIの店舗には、週末になれば家族連れが来店する。顧客層は完全に一致していなくても重なる部分はある。駐車場を共有できる点も大きかった。
「郊外の大型店は、駐車場も広いですし、立地も人の流れも揃っていますから、箱としては非常に強いのです。ならば、その空間をもっと生かせないかと考えました」(田村社長)
場所は、横浜市都筑区にある「AOKI 横浜すみれが丘店」の2階。売場効率の見直しにより余剰と判断した“遊休スペース”を、カラオケ店に業態転換した。
そうして、1998年11月、「コート・ダジュール」1号店をオープンする。
特筆すべきは、既存資産を有効活用した“横展開”。最小限の投資で試験的に始められるメリットがあった。
社内はどんな反応だったのか
とはいえ、「スーツのAOKIが、なぜカラオケをやるのか」といった声はなかったのだろうか。
「AOKI-HDは、創業当時からアイデアを出して事業を多角化したいという、チャレンジ意識が非常に強い組織文化が根付いています。当時は『上場企業20社を目指す』という旗を掲げており、今もその精神は引き継がれています」(田村社長)
新規事業の創出は、特別なことではない。そういった空気が、社内の迷いを小さくしていた。
もっとも、カラオケ事業は最初から順調だったわけではない。
「当初は、ほとんどお客様が来なかったと聞いています。郊外店2階という立地は、必ずしも集客に有利ではありませんでした。割引したり、料金パックの導入を試したりと、販促の打ち手を重ね続けたようです」(田村社長)





















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