パナソニックでは少なくともこの20年間で、巨額の投資で失敗したり、前任経営者の方針を大幅に変更したりということが繰り返されてきた。こうした度重なる方針転換が、社員の間で本社部門や他部門に対する不信感を広げている。楠見社長自身もパナソニックの本質的課題として「経営のモダナイゼーションが進みにくい」ことを認めている。
本質的課題を解決しようと改革を繰り返しているが、堂々巡りの域を出ない。社内外からは「迷走」と批判する声が聞こえてくる。
今回の1万2000人リストラを機に中堅、若手の社員が次々と見切りをつけているのは、その迷走に絶望しているからだろう。
甦生か、延命か
楠見社長は年始に自社ウェブサイトで公開した従業員向けのメッセージで、26年を「成長フェーズに転換する年」と位置づけ、今年の一字は「『甦』にしたい」と発表した。
その理由について「昔の松下電器・松下電工は非常に強靭な事業の力を持っていました。そういう強靭なグループに『甦る』ということです」とつづっている。
しかし、構造改革が新たな成長事業の創出につながらず、単なるコスト削減で終わってしまえば、それは甦生(そせい)というより延命でしかない。人件費が減れば短期的な利益は上向くが、風土が変わらなければ結局費用の膨張と削減を繰り返すだけになる。
そうした事態を防ぐためにも、5月にも発表する新たな中期経営計画では、場当たり的な提案ではなく20万人超が働くパナソニックグループを1つにまとめ、中堅、若手を含めて従業員が安心できる、明確な経営方針を打ち出す必要があるだろう。そうでなければ不協和音は鳴りやまない。
本特集ではパナソニックグループが抱える課題について、さらに掘り下げていく。特にグループ内の各事業について、今後の生存戦略の成否をみていくことにする。
パナソニック ホールディングスの株価・業績 は「四季報オンライン」で
記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
印刷ページの表示はログインが必要です。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら





















無料会員登録はこちら
ログインはこちら