24年12月に完了した車載機器の米ファンド系企業への売却や、3月中にも実施する住宅設備事業の売却など、低採算事業の切り離しはある程度進んだ。
しかし、オリックスに約1000億円で売却する予定だったプロジェクターなどの事業は、条件面で折り合えず破談となった。
社長肝煎りで事業ポートフォリオ改革を進めてきたが、現状では中途半端だと言わざるをえない。
25年2月に楠見社長が「事業競争力の発揮を阻む組織構造、そしてコスト構造を抜本的に再構築」するとたんかを切って始まった改革の第2幕。だが、その内容は就任直後の改革の焼き直しにとどまるものだった。
楠見社長の就任直後にパナソニックが持ち株会社制に移行したのは、社内カンパニーや事業会社の「自主責任経営」を目指したからだった。一方で、人事や経理などの間接業務はHDやパナソニック オペレーショナルエクセレンスという会社に集約することで、全体の効率化を図る狙いだった。
しかし、この取り組みはうまくいかなかった。各カンパニーや事業会社には強烈な遠心力が働いたからだ。結果として、それぞれが独自の間接部門を持ち、人件費を膨らませていった。
特にグループの中核的存在であるパナソニック株式会社(パナ株)の機能不全は深刻で、HD傘下のパナ株のさらに内部に複数のカンパニーがあるという入れ子の構造が組織を肥大化させ、意思決定を遅らせた。
改革の第2幕も不完全
持ち株会社化で楠見社長が自ら引き起こした問題の解決を狙って改革の第2幕に踏み出した。だが、それすらも楠見社長の思惑どおりには進んでいない。当初の説明と異なる結果になった部門が複数あるからだ。
例えば、電子レンジや炊飯器などの調理家電やテレビについて、売却や撤退も選択肢となる「課題事業」に指定した。昨年2月の説明会では楠見社長がテレビ事業を「売却する覚悟はある」と明言し、大きな話題を呼んだ。
白物家電やテレビはパナソニックにとっての看板事業であり、これまで切り離してきた部門とは重みが異なる。それだけに、経営改革で先行するソニーグループや日立製作所のように、パナソニックも生まれ変わるとの期待を集めた。





















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