何より基本となる見識は、アメリカで対GDP債務比率が劇的に上昇したおよそ1981年に端を発する「大債務爆発」の間に、ビッグ7経済圏の大部分で純資産が著しく上昇したという事実である。
そして、7か国のすべてにとって、圧倒的に大きな純資産を持つマクロ部門は「家計」にほかならなかった。
現実的かつ実際的な範囲において、政府支出と赤字が、家計(及び非金融企業)の所得及び純資産の累増を促進する機構として行動してきたのである。
ビッグ7の家計純資産をドル換算で比較してみると、アメリカと中国が突出し、他はかなり下位のグループになっていることがわかる。
このデータは、株式保有や不動産所有の数値とともに、これら2か国のとてつもない経済的優位性と規模を示している。まさに世界の他の国々から頭1つ抜けているのだ。
しかし、ビッグ7の国民の相対的な経済的豊かさを示すために、1人当たりベースの家計純資産を比較してみると違った風景が見えてくる。
総額規模では中国が圧倒しているが、その国民はさらに先進的な経済圏と比較して恵まれているとはとても言えず、実際には、貧弱な不動産データを考慮に入れても純資産がGDPに占める割合がはるかに低いインドより、豊かさの観点から恵まれているとは言えない。
「アメリカ人は貯蓄しない」という通説の嘘
この点をはっきりさせるため、不動産を除く1人当たりベースの家計純資産を見てみると、アメリカが他国をはっきりと大きく引き離し、中国は下降してインドのレベルに近づいている。
不動産を除く1人当たりのこれら数値は、「アメリカ人は貯蓄に乏しい」との長年の通説と矛盾する。
このような誤解は、個人が保有する当座預金及び普通預金口座の残高に、証券会社や年金基金その他の退職基金に投資している金額(ストック)を加えて「貯蓄」と見なす一般の常識と、それに比べて、経済学の定義では家計収入が支出を上回る額(フロー)を「貯蓄」と呼ぶ解釈の違いを反映している。



















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