年間1000万枚売れるNクール誕生の裏の執念、「毎晩、爽やかな北海道に帰りたかった」…「ない」と言われても探した繊維
3カ月後に届いた試作品。触ってみるとびっくりです。確かにひんやりします。冷たさが感じられる鉱石を粉にして、特殊な技術で繊維に練り込んでいるそう。こうして、身体が触れると「冷たい!」と感じる、接触冷感生地を使った商品ができました。発明・発見とは、好奇心と執念から生まれるのです。
こうして、Nクールはニトリの看板商品の1つになってくれました。
もちろん、ヒットしたから終わりではありません。私はもっとお客様に喜んでもらいたい。一度使ってくれた人たちは、必ずもっといいものを欲するようになります。そこで、もっと冷たいものを開発しようと「Nクールスーパー」を作りました。それがうまくいったなら「Nクールダブルスーパーを」と指示して、今ではNクールダブルスーパーがNクールシリーズ全体の売上の5割近くを占めています。
売場で初めてNクールに触れたお客様は、「え!? ホントにひんやりする!」「どうなっているんだろう?」と言って必ず笑顔になります。年間1000万枚の大きな商品に育ったのはもちろんうれしいです。でも、私としては多くの人に喜んでもらえるものを生み出せたことのほうが、最高の喜びなのでした。
趣味だった美術品のコレクション
「人を喜ばせたい」という強い気持ちがもたらすエネルギーと私の特性の組み合わせは、ニトリのメイン事業とは異なるところでも、いい結果をもたらしています。
子どもの頃に武者絵を描いていましたが、実は私、今でも絵画など美術品全般が大好きです。事業がうまくいってからはコレクションもしています。好きなことにだったら飽きずに集中できるので、ちょっとした空き時間ができると美術品のオークション雑誌を眺めているのです。
「あ、いいのがあるな、見てみたいな。手に入れたいな」と、眺めるだけでワクワクしてきます。ただ私の場合、喜びのピークがやってくるのは、入札して、落札できて、手に入れた瞬間です。もちろん、自分のものになった美術品を眺めて感動しないわけではないけれど。



















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