楽天はエコシステム輸出、NTTは光でAI電力問題に挑む──世界最大級の通信展示会で示した日本2社の異なる勝ち筋
2030年までに、量子コンピューターの性能を左右する演算単位「キュービット」を100万まで増やすことを目指す。現在の量子コンピューターはIBMの1000超が最大級で、100万は桁違いの野心的な目標だ。さらに将来的には1億キュービットも視野に入れ、個別化医薬品の開発や次世代エネルギー資源の創出といった社会課題の解決につなげる構想だ。
ソフトウェアと光、異なる切り札で同じ舞台に立つ
三木谷氏が売り込んだのは、楽天が日本市場で培ったソフトウェアとエコシステムの運用ノウハウだ。楽天シンフォニーは2025年、クウェートのザイン、ベトナムのモビフォン、バングラデシュのグラミンフォンなど複数の通信事業者と覚書を締結し、米AT&Tへのサービス提供も拡大した。ただし多くは覚書段階にとどまり、大規模な商用展開にはまだ距離がある。楽天モバイル自体は2025年末に契約者数1000万を突破し、2025年度にEBITDAベースで通期黒字化を達成したが、営業利益は依然赤字だ。国内の収益基盤を固めながら海外展開の成果を出せるかが問われている。
島田氏が掲げたのは、AIの爆発的成長がもたらす電力問題に対する技術的な回答だ。IOWNの仕様策定にはIntel、ソニー、NVIDIA、Qualcomm、Ericssonなど120以上の企業が参画しており、NTT単独のプロジェクトではない。一方で、NVIDIAやTSMCもシリコンフォトニクス技術を独自に開発しており、データセンター内の光配線は世界的な競争テーマになっている。PEC-2の2026年商用化が予定通り進むかどうかが、NTTの存在感を左右する。
アプローチは対照的だが、世界の通信事業者やテクノロジー企業に向けて日本発の価値を示すという意味では、両者の狙いは重なる。MWCの舞台で語られたビジョンの実現は、これからの実行にかかっている。
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