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「ただの田舎料理」と批判されたが…行商を始めた主婦が《九州駅弁グランプリ5冠》の覇者にのぼりつめた"逆転劇"

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「田舎料理」が果たしてどこまで人の心に響くのか、山田さんの挑戦が始まった。

自宅前に建てた厨房。4坪程度のここで数百食もの弁当を作る。「当時は1人で使うだけだから十分だと思っていたんですけど……忙しいときは5人くらいで作業するからひしめき合っています」と山田さん(写真:筆者撮影)

なかなか売れない時代も…

2004年4月28日から土日祝日の嘉例川駅での駅弁の販売を開始。しかし、売れない日々が続く。

駅構内での弁当販売にあたり、許可取りに時間がかかっていた。そのため、当初は駅舎を出て数十メートルほど歩いた先で販売をすることに。立地も悪く、まったく売れなかった。

嘉例川駅から歩いて数十メートルの左手にある場所(現在は温泉施設がある)で駅弁を販売していた(写真:筆者撮影)

支えてくれたのは、お弁当にも使っているしいたけ農家・松下実雄さんの妻・さえ子さん。駅弁販売の日は応援に通い、励まし、賑やかしてくれた。それでも売れ残る日ばかりで「今日も売れないからお昼ごはんに食べるが」と2人一緒に駅弁を食べ「おいしいのにねぇ」と言い合った。

現在は嘉例川駅構内で夫の文昭さん(写真右)が販売を担当。文昭さんの駅弁販売中に、松下実雄さん(写真左)が応援にくることも。これは2025年9月の写真で、8月の豪雨災害による土砂災害で客足が減っていた頃(写真:筆者撮影)

売れない時代の駅弁販売で、忘れられない思い出がある。

雪が降る冷え込む日のこと。最終の「はやとの風」が停車した際、山田さんはホームに出て「お弁当いりませんか」と声をかけた。するとスーツ姿の男性が降りてきて「そのお弁当が売れないと帰れないの?」と尋ねてきた。おそらく社員旅行だったのだろう。男性は一緒に乗っていた人たちにも声をかけ、10個まとめて買ってくれた。

嘉例川駅舎(写真:筆者撮影)

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【「年を追うごとにおいしくなっている」】

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