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「ただの田舎料理」と批判されたが…行商を始めた主婦が《九州駅弁グランプリ5冠》の覇者にのぼりつめた"逆転劇"

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厨房設備は知り合いのラーメン屋から間借り。ダイハツのタントを相棒に、惣菜を積んで売り歩いていた。それでも口コミで広がり、一日の販売先は10件ほどと人気だった。

そんな山田さんのもとに舞い込んできたのが、嘉例川駅で販売する駅弁コンペへの誘いだった。

「お声がけいただいて参加しましたが、行ってみたらプロの料理人のお弁当も並んでいて……。あんまり恥ずかしいから思わず『帰ります』っていったほどです」

辞退しようとするのを審査員が引き止め、コンペの結果は山田さんの弁当に決まった。

決め手は、ここでしか食べられない郷土の味であったこと。

「百年の旅物語 かれい川」。当時のコンペ用弁当の中身は今とほぼ同じだそう(写真:筆者撮影)

弁当に入れたガネ(サツマイモの天ぷら)やカボチャとナスのみそ田楽は、山田さん自身が昔から食べてきた母の味であり、ご近所さんから教わった味であり、暮らしの中に存在する等身大のものだった。「特別なごちそうは旅館やホテルで食べられるから」と、地元の家庭の味であることが支持された。

山田さんが作った、けせん団子とふくれ菓子(写真:筆者撮影)

あたたかい思いになる味を

料理は子どものころから大好きだった。しかし、有名な観光列車の駅弁販売という大舞台を担うことには、戸惑いもあったという。

でも作るからには届けたい情景があった。

「田舎に帰っておばあちゃんが『おかえり』とごはんを食べさせてくれたようなあたたかい思いになるお弁当を届けたいと思いました」

弁当箱に竹皮を選んだのは、嘉例川駅の歴史に思いを馳せてのこと。

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【2004年4月より週末の嘉例川駅で定期販売をすることに】

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