共通テストに登場した「魔法の水」は実在する 岡山理科大の最新研究が出題された背景と、激変する入試で求められるもの

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この問題、かなり学術的ながらも内容の特徴がすごいので、受験生の多くが「本当にそんな水あるの?」「大学の授業みたいな題材だな」と首をかしげながら聞いたかもしれません。ですが、この技術は実は本当に存在します。これは、岡山理科大学が開発した「好適環境水」だと考えられます。

「好適環境水」──常識を覆した水

好適環境水は、岡山理科大学生命科学部の山本俊政准教授が2005年から研究を重ね、開発した人工飼育水です。成分はシンプルで、ナトリウム・カリウム・カルシウムという3種のミネラルのみ。海水に含まれる無数の成分のうち、魚の生育に本当に必要なものだけを抽出して淡水に加えています。

この水の最大の特徴は、海水魚と淡水魚が同じ水槽で一緒に生きられることです。塩分濃度は淡水魚が生活できる程度まで薄く設計されているため、海水で暮らす場合に魚が浸透圧調整に使っていたエネルギーが節約できます。その分のエネルギーが成長に回るため、海水で育てるよりもむしろ速く大きくなるといいます。

病気も少なく、水と電気があれば場所を問わず使え、ろ過しながら最大約3年間再利用できます。

岡山理科大学の公式発表によれば、モンゴルでは養殖開始からわずか3年でハタの交雑種が8キロにまで成長したという記録もあります。カンボジアではJICAと共同でエビの養殖プロジェクトを成功させており、将来的には国際宇宙ステーション(ISS)での飼育実験を目指す構想まで描いています。

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