「改定しかねぇでしょ」筑波大学の寄宿料値上げ説明会が4時間にわたり紛糾 露呈した大学側の"対話能力の低さ"

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続いて、千葉親文副学長が説明を始める。語った内容は、学生宿舎はもともと国有だったが、今は国立大学法人に移管されていること。借地借家法が適用されないので、大学と学生の契約は一般的な民間との賃貸契約とは異なること。それに、寄宿料の収支が今年度1億円の赤字になる見込みで、廃止か値上げしかないといったことだった。その上で、赤字を学費による収入から補填することを考えた人は「反省すべきだ」と述べ、次のような発言があった。

「これは宿舎に入居していない学生を含めて、全ての学生さんのための教育研究経費だよ。これをこの赤字のために充てるのか? いいですか、こんなこと、口に出しても言えません。良識があれば。いいですか? これはありえない。じゃあ、どこから持ってくるのよ、って言ったら改定しかねぇでしょ」

千葉副学長のこれらの発言に学生は反発し、質疑応答で批判が相次いだ。特に「反省すべきだ」という発言については、批判を受けたことで千葉副学長は撤回している。

Aさんは、冒頭で内容を外部に漏らさないように指示したことに、看過できない問題があると感じた。後日、筑波大出身の指宿昭一弁護士は、大学この対応について「学生の言論の自由に対する不当な制限であり、憲法21条1項に違反する人権侵害行為」と批判している。

来年度の入居受付を説明会開催前に締め切り

複数の参加者が指摘したのは、大幅に値上げするにもかかわらず、事前に学生と協議する場が持たれなかったことだ。08年に値上げをした際には、3回にわたって意見聴取会を開催し、1年以上の周知期間を設けて学生との対話の機会を設けていた。また、17年の値上げでは意見聴取はなかったものの、小幅な値上げだった。

それが今回は、値上げの発表は改定のわずか4カ月前。例年であれば10月頃に始まる次年度入居の申込受付が行われず、学生が疑問に感じている中、11月27日に役員会で値上げ額が決定され、12月10日に学内に告知された。そして来年度の入居受付は、この説明会が開催される前の1月9日に締め切られている。

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