AIトラフィック時代の通信網、ノキアとNTTドコモが描く「AIネイティブネットワーク」と6Gの現実とは
永田氏が強調するのは、従来のネットワークが人間向けに最適化されてきたという事実だ。基地局は人口が集中する都市部に建てられ、端末は人間の手と目に合わせて設計されている。だがAIやロボットが通信の主要なユーザーになれば前提が変わる。ロボット業界からは、人間の目では区別できない4Kや8Kを超え、16Kや32Kの映像が必要だという声も出ている。
永田氏は落合陽一氏との議論を通じて、デバイスの将来像も検討してきた。親指でのフリック入力やキーボード操作があと何年残るのか。AGI(汎用人工知能)やASI(超知能)の時代には、学習と推論がリアルタイムで同時に走り、地球上のあらゆるモノを常時センシングする世界が来るかもしれない。その通信量は現在の延長線上では見積もれないという。
お弁当100個の例え話
ただし永田氏は、技術的な可能性と事業の現実のギャップにも目を向ける。「お弁当を100個注文して10人しか来なかったら90個が無駄になる。1万人来たら足りない」。ネットワーク設計の費用対効果をこう例えた。
AIトラフィックの予測は楽観と悲観で大きな幅がある。永田氏は、通信業界だけで需要を見積もるのは限界があるとみている。AI業界、自動車、物流、医療など他業界との対話を通じて、30年頃にどれだけの容量と遅延が必要なのか、仮説の精度を上げていく必要がある。MWC会場ではKDDIの担当者とも周波数戦略について意見交換したという。永田氏は「通信事業者同士が個別に動いていては間に合わない」と、業界を超えた連携の必要性を強調した。




















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