AIトラフィック時代の通信網、ノキアとNTTドコモが描く「AIネイティブネットワーク」と6Gの現実とは
だがAIのトラフィックは変動が激しい。ある瞬間は高精細な映像を送信し、次の瞬間にはテキスト1行の指示を受け取る。しかもAIエージェントは24時間動き続け、人間のように深夜にトラフィックが減ることもない。従来のピーク需要想定では対応しきれないと、NokiaのCTO Pallavi Mahajan氏は指摘した。
パネルに登壇したT-MobileのJohn Saw氏は「kinetic tokens(動的トークン)」という表現で課題を語った。倉庫のロボット、自律走行車、配送ドローンといったフィジカルAIにとって、10ミリ秒の遅延は映像のカクつきではなく安全上の事故を意味する。ミリ秒単位の時空間整合性が通信に求められる時代になるという主張だ。
Nokiaはこの課題に対し、NVIDIAとの提携でGPUを無線基地局に組み込む「AI-RAN」を推進している。26年末に商用環境での試験を行い、27年に商用リリースする計画だ。NTTドコモやボーダフォン、BTなどが概念実証に参加している。
Hotard氏は「ブラックボックスからガラスボックスへ」という転換も訴えた。AIが受け取るトークンの信頼性を監査できる透明性がなければ、自律走行車に乗客は命を預けられない。ネットワーク内部の可視性と監査可能性が基本要件になるとNokiaはみている。
ドコモが語るAIセントリックネットワーク
一方、NTTドコモも同じ問題意識を共有していた。MWC会場で取材に応じたNTTドコモ 6Gテック部の永田聡担当部長は「AIセントリックネットワーク」という構想を説明した。
この構想は2つの軸で構成される。「AI for Network」はネットワーク運用にAIを活用する考え方だ。もう1つの「Network for AI」は、AIやロボットが性能を発揮できるネットワーク基盤を新たに作るという考え方を指す。




















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