「倉田さん、何食べます?」
店の前に写真付きで置いてある大きなメニュー表を見ながら、Sさんと相談しました。どれもおいしそうで、看板メニューの牛タンシチューにしようと思っていたのに迷います。
「ハンバーグもおいしそうだし、ソースカツ丼も……うーん、でもやっぱり牛タンシチューにします」
「じゃあ、僕はソースカツ丼にします。少しシェアしましょうか」
「します!」
即答しました。
その後30分以上経ち、やっと店の中に呼ばれました。山小屋の中の木製の長テーブルには、昼食中の客が5~6人。奥には宿泊できる部屋があるようです。
いつか山小屋に泊まってみたいなあ、と思いながらSさんと最近の仕事のことなど話していると、「お待たせしました」と目の前に熱々の牛タンシチューが運ばれてきました。
「うわあ、想像よりずっとおいしそう!」
見るからに本格的なシチュー。続いてきたSさんのソースカツ丼もおいしそうです。
ちょっとした後悔も…
「じゃあ、少し分け合いますか」
Sさんは3つあるカツのうち、1つを私にくれました。私も柔らかい牛タンを切って、Sさんの丼に乗せました。
「いただきます」
見た目を裏切らないおいしさ! 山奥でこんなに手の込んだ料理をいただけるなんて、本当にぜいたくです。
お腹が空いていたこともあって、あっという間に食べ終えてしまいました。ご飯が足りなくて大盛りにしなかったことが悔やまれて仕方がありませんでしたが、それ以外は大満足の山ご飯でした。
最後の客だった私たちを残し、ほかの客は皆店を出ていきました。私とSさんはお茶を飲みながら、これからの行程についてゆっくり話しました。時刻は14時ちょっと。まだまだ余裕がある……と、この時は思っていました。




















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