JR東海「リニア新幹線工事」沿線各地で新たな局面 山梨で駅舎、神奈川でトンネル、静岡で協定締結

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駅やトンネルの建設だけではなく、運行保守の技術面でも進展が見られた。2月9日、超電導リニアの設備を検査するロボットの試作機「ミネルヴァ」が公開された。

このロボットはJR東海、自動車メーカーのスズキ、自律移動システムなどを手がけるパナソニックアドバンストテクノロジー(PAD)の3社による共同開発。現在、山梨リニア実験線には分岐装置や乗降装置などの設備が点在している。作業員にとっては点検箇所まで移動し、狭い場所で体に負荷のかかる姿勢で点検するといった負担を伴う。

そこで将来の労働力不足を見据えて、設備検査ロボットの導入を決めた。「検査の精度を高いレベルで保ちながら、作業の効率化を図りたい」(JR東海中央新幹線推進本部リニア開発本部の鳥居昭彦担当部長)。

リニア 設備検査ロボット
リニアの設備を検査するロボットの試作機「ミネルヴァ」。黄色い色は新幹線の「ドクターイエロー」をイメージしたという(記者撮影)
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ロボットの黄色は「ドクターイエロー」

ミネルヴァはスズキが開発中の多目的電動台車「MITRA(ミトラ)」の技術を採用し、段差のある場所や砂利敷きの箇所のような不整地における走行が可能だ。「ヒューマノイドロボットがたくさん出てきているが、耐久性、信頼性、メンテナンス性、消費電力などを考えると4つのタイヤが現実解だ」とスズキ次世代モビリティサービス本部の藤谷旬生本部長が話す。

ミネルヴァはPADの開発した自律移動システムを用いて点検箇所まで移動して、長いアームの先端に取り付けられたカメラを使って外観検査を行う。「ガタガタした道を走れるロボットはなかなかない。これは完成形ではないので、現場の課題をどんどん吸い上げて改善していきたい」(PAD戦略企画室の髙橋三郎室長)。

まず山梨リニア実験線で実証を行った後に、効果が見込めれば複数台の導入を検討する。黄色い親しみやすいデザインは「新幹線のお医者さん」として知られる「ドクターイエロー」をイメージした。今から10年以上先の話になるが、リニアが開業すれば、沿線各地でこの黄色いロボットが活躍している姿を見ることができるかもしれない。

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大坂 直樹 東洋経済 記者

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おおさか なおき / Naoki Osaka

1963年函館生まれ埼玉育ち。早稲田大学政治経済学部政治学科卒。生命保険会社の国際部やブリュッセル駐在の後、2000年東洋経済新報社入社。週刊東洋経済副編集長、会社四季報副編集長を経て東洋経済オンライン「鉄道最前線」を立ち上げ。製造業から小売業まで幅広い取材経験を基に定年退職後の現在は鉄道業界を中心に社内外の媒体で執筆。JR全線完乗。日本証券アナリスト協会検定会員。国際公認投資アナリスト。東京交通短期大学特別教養講座講師。休日は東京都観光ボランティアとしても活動。

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