「86.4%が保護司を引き受けたくない」…約半数が自分や家族の身に不安、"無償だから信頼関係を築ける"に近づく限界

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保護司になるためには、まずは保護司会に問い合わせをし、保護観察所の適正審査を経て、法務省の委託を受ける。自分から立候補して審査を受けることも可能だが、現役保護司からの推薦が慣例となっていた。

人格や行動が社会的信望を有すること、地域で信頼されていることに加え、活動に充てる時間的・経済的余裕があるかなども審査される。

自薦であり、過去に交通死亡事故を起こしたこともある千葉さんは、半年以上審査に通らなかった。担い手不足が指摘される一方で、希望しても簡単にはなれないという現実があるのだ。

「自分から保護司になりたいといってもなかなかなれないのが現状です。大阪の方で非行少年の支援をしている知り合いは、立候補してから10年以上経っているのに、まだなれていません」

基本推薦とされているのには、活動の趣旨を理解した人に担ってもらうためでもある。また、保護司活動をビジネスに利用されることへの警戒心があるのかもしれない。

千葉さんが地域で自立準備ホームを始めた際にも、保護司会から「この地域で貧困ビジネスを始める若者がいる」と不安の声があがっていたという。

歴史をたどれば、保護司制度は地域の名士が無償で始めた慈善事業を源流とする活動だ。その誇りが保護司会に受け継がれているからこそ、身元がしっかりした、経済的にも時間的にも余裕のある「人格者」であることが求められている。

「しかしそうなるとやはり、70代が60代を推薦するようになってしまいます。推薦するなら、20代から40代を率先して登用していかなければ高齢化は止まりませんし、人数も増えていかないでしょう」(千葉さん)

仕組みを変えることで、幅広い世代から登用できる

現在、保護司の定員は5万2000人であるのに対し、実数は4万7000人と、定員割れの状態が続いている。平均年齢も65歳を超え、担い手不足と高齢化によりこのままでは制度の維持が難しくなってくるだろう。

「現役保護司の方々の経験や知恵を、若い世代に合ったかたちで引き継いでいく仕組みが必要です。定例会議や研修の日程を夜間や休日に変える、自宅以外の面接場所を確保するなど、これまでの慣習を変えることで、現役世代のなかでもやってみたいという方が増えるのではないでしょうか」

次ページ人数が増えれば複数の保護司で支援することも可能になる
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