「86.4%が保護司を引き受けたくない」…約半数が自分や家族の身に不安、"無償だから信頼関係を築ける"に近づく限界
「特に若い人からは、自宅での面接が不安だという声をよく聞きます。今回の事件が起こる以前から、まったくの他人を自宅に招いて面接を行うことに対する抵抗感は強かったと思います」
また、近年では保護観察対象者の背景も多様化しており、更生には専門的な知識が求められる場合も多い。今回の被告人の場合、専門家による適切な対応が必要なケースだったのかもしれない。
2026年12月に内閣府が発表した更生保護制度に関する世論調査の速報値によると、86.4%が「保護司を引き受けたくない」と回答している。その理由については、「自分や家族の身に何か起きないか不安だから」が45.2%を占めた。
保護司一人ひとりは、身の危険を感じながらも、責任感を持って職務に当たっている。しかし、これだけ負担が重く危険が伴う場面もある仕事を、保護司の善意に頼って無償で任せることには、限界が来ているのではないか。
「無償であるほうが、対象者との信頼関係を築きやすいという声もあります。しかし、すべてに対して報酬を支払うのでなくても、面接1回につきいくら、手続きなどで役所に同行したらいくら、など一部でも支払うように変えていったほうがいいのではないかと、私は思います。もちろん、『犯罪者の更生に税金を使うのか』という反発はあがりそうですが」(千葉さん)
保護司が増えない仕組みは、慣習にもある
千葉さん自身も、罪と向き合う人生を歩んでいる。
20年前に、自身の運転中に同乗者だった友人を死亡させてしまった事件をきっかけに、刑務所出所者等の更生支援を始めたのだ。2018年からは、株式会社生き直しを立ち上げ、刑務所出所者等の一時的な住まいとなる「自立準備ホーム」を3棟運営している。
千葉さんが保護司となったのは、4年前だった。
「『地域で保護司が足りない。千葉さん、いい活動しているから保護司になってよ』と地域の方からお声掛けいただいたのがきっかけでした。しかし、実際に立候補してみると、なかなか認めてもらえなかったんです」
保護司が足りないと聞いたからこそ、「それならば自分がなろう」と立候補したのに、なかなか認めてもらえない。地域で長年更生支援の仕事をしているのに……。千葉さんは疑問を抱いたという。





















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