「86.4%が保護司を引き受けたくない」…約半数が自分や家族の身に不安、"無償だから信頼関係を築ける"に近づく限界
千葉さんによると、保護司には刑務所出所者などとの月2回の定期面接のほかに、地域活動への参加も求められている。千葉さんの地域では、朝、小中学校の校門前に立ってあいさつする『あいさつ運動』を毎年5月に実施している。法務省の提唱する「社会を明るくする運動」の一環だという。
ここで一つの疑問が浮かんだ。朝、小中学生に校門であいさつする活動を、会社に通いながらできるのだろうか。
「難しいでしょう。うちの保護司会には40名ほど在籍していますが、40代の私が2番目に若く、ほかは60代以上の方や定年退職した方、自営業の方ばかりです」
しかし、出所者の年齢や社会的背景が多様である以上、それをサポートする保護司にも多様な人材がいることが望ましいように思える。
千葉さんの所属する保護司会の活動は、出所者等への月2回の面接のほか、定例会議が2カ月に1回、研修が月に2~3回ほどあるが、いずれも平日昼間の時間帯に対面で実施されているという。平日朝から夜まで仕事に出ている現役世代では、参加が難しい時間帯だ。
保護観察官の出席する会議や研修では、公務員の勤務時間内に実施されることが多い。これまでは時間の融通が利きやすい高齢者や自営業者が担ってきただけに、疑問や不満の声は大きくなかったのだろう。
「現役世代の場合、自営業の方や、在宅ワークで時間がとれる人でなければ保護司の活動は難しいでしょう。保護司会の若い世代が声をあげても、そもそも現役世代が少ないので、なかなか取り上げてもらえないんです」
もちろん、ボランティアで活動している保護司の方々の志には敬意を抱きつつも、内部体制を変えていく時期に来ているのではないかと、千葉さんは言う。
事件で浮き彫りになった、安全面の脆弱さ
2024年5月に滋賀県で発生した事件では、60代の保護司の男性が、自宅での定期面談中に保護観察対象者に殺害された。被告である保護観察対象者には、自閉スペクトラム症など発達特性の可能性が指摘されている。
このことから、以前から課題とされていた保護司の安全管理の不十分さと保護観察対象者の多様な背景が浮き彫りになった。
「家庭的な雰囲気」が更生に役立つと考えられてきたことから、面接は役所や警察署ではなく、自宅が望ましいとされてきた。そのため現在でも、保護司の自宅など地域の身近な場所での面接が推奨されていると、千葉さんは言う。





















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