結婚をしても子どもが産めない…「巨額の子育て予算」が少子化対策に結びつかない残念な実態

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あわせて、婚姻数が増えても出生数が増えていない要因についても見てみます。

よりわかりやすく整理するために「発生結婚出生数」という指数を使用します。これは私独自に作った指標で、発生した一組の結婚に対してどれだけ出生があったかを見るためのものです。当年の出生数を前年の婚姻数で割ることで計算します。元データはともに速報値データを使用します。

結果は、東京1.09 、首都圏三県1.39、 地方4大都市1.44、その他39道府県1.53となりました。つまり、婚姻数が増えている大都市ほど、婚姻によって生まれる子どもの数が少ないということを意味します。

この発生結婚出生数の全国値は1995年あたりから長らく1.5前後で一定に推移しています。しかし、近年低下傾向にあり、2025年速報値で計算すると1.41にまで下がっています、それだけ、婚姻があっても生まれる子どもの数が少なくなっているということです。

2015年を起点として、それぞれの発生結婚出生数の増減推移をまとめたものが以下です。ちなみに、2020年が減少しているのは2019年令和婚効果で婚姻数が増えたため、2021〜22年が増えているのは逆にコロナ禍で婚姻数が減った影響です。

2015年対比で、東京は16.2%減と、もっとも減少幅が大きく、首都圏三県がそれに続きます。つまり、東京圏においては、結婚をしても子どもが産めないという傾向が強まっているということが言えます。

子育て支援政策をしても止まらない少子化

前述した通り、出生数は婚姻数に依存します。婚姻が増えなければ出生は間違いなく増えません。婚姻による第一子が生まれてこないからです。

一部で、第二子、第三子を促進すれば少子化解決などという論がありますが、完全に間違いで、第一子が生まれなければ第二子も第三子も永遠に生まれません。そして、第一子のためには婚姻(初婚)が必要になります。

しかし、実態は、婚姻が発生しても、特に大都市においては以前ほど出生につながっていません。決して結婚した夫婦が子どもを望んでいないわけではなく、「産みたくても産めない」という事情があるのでしょう。経済的な理由か、夫婦それぞれの勤務的な理由か、個々の事情はさまざまですが、長らく政府も自治体も子育て支援に重点を置いてきたわりに、その子どもが生まれてこない状況を作っているのではないでしょうか。

「全国の婚姻数が増えました、東京は婚姻も出生も増えました。子育て支援政策の効果が出ています」とはとても言えない。国の子育て支援関係予算(家族関係政府支出)はすでに11兆円もかけています(2023年)。東京都だけでも2.2兆円(2026年予算)です。それだけ予算をかけても、国は3割以上、東京も26%も2015年比で出生数を減らしています。辛辣な言い方をすれば、予算を増やせば増やすほど少子化を加速させてやしないか、と。

だからといって子育て支援を削れという話ではありませんが、児童手当や各種の無償化など、本当に意味や効果のある使い方なのかという検証なしに、ただ予算だけを増やしてきたためのこの結果なのではないでしょうか。

婚姻が作られないだけではなく、せっかく結婚した若い夫婦が希望通りに子どもを持てないということになれば、「最後の望みの丘」は「絶望の谷」へと変わってしまうでしょう。

荒川 和久 独身研究家、コラムニスト

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あらかわ かずひさ / Kazuhisa Arakawa

ソロ社会および独身男女の行動や消費を研究する独身生活者研究の第一人者として、テレビ・ラジオ・新聞・雑誌・Webメディアなどに多数出演。著書に『「居場所がない」人たち』(小学館新書)、『知らないとヤバい ソロ社会マーケティングの本質』(ぱる出版)、『「一人で生きる」が当たり前になる社会』(ディスカヴァー携書)(ディスカヴァー携書)、『結婚滅亡』(あさ出版)、『ソロエコノミーの襲来』(ワニブックスPLUS新書)、『超ソロ社会』(PHP新書)、がある。

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