日産「6500億円赤字」の正体 財務で診るリスクの全貌と、再起のカギとなる中国EV市場への挑戦

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26年3月期の通期見通しは6500億円の最終赤字と発表されましたが、25年3月期を振り返ると、営業利益は前期比87.7%減の697億円、経常利益は同70.1%減の2101億円と、かろうじて黒字を確保していました。

しかし、そこに重くのしかかったのが4949億円という大幅な減損損失です。日産は主力の追浜工場や湘南工場を含む7工場を閉鎖しましたが、この構造改革が減損にも大きく影響していると思われます。その結果、最終損益は6708億円の赤字となりました。

さらに深刻なのは本業の業績です。直近の26年3月期第3四半期決算では、営業損益の段階で101億円の赤字、経常損益は1108億円の赤字を計上。さらに特別損失として固定資産廃棄損136億円、減損損失805億円がありますから、最終損益は2502億円の赤字となりました。前期に続いて業績不振に陥っている様子が読み取れます。つまり、減損損失による赤字だけでなく、本業で稼ぐ力の低下が同時に起こっているのです。

短期的な安全性に問題はないが、予断を許さない状況が続く

では、日産の資金繰りは今、どのような状態にあるのでしょうか。短期的な安全性を示す「手元流動性=(現預金+すぐに売れる資産+すぐに借りることのできる与信枠)÷月商」を計算しますと、2.3カ月分となります(与信枠は不明なので計算に入れていない)。日産のような大企業の場合、1カ月分強あれば安全と判断しますから、当面、倒産リスクは極めて低いと言えます。

また、1年以内に支払うべき負債に対して、どれだけ現金化しやすい資産があるかを示す「流動比率=流動資産÷流動負債」を計算しますと、165%と高い水準を維持しています。一般的に120%程度あれば資金繰りには困らないとされているため、この点でも即座に破綻する状況にはないでしょう。

ただし、手放しで安心はできません。25年3月期、あるいは26年3月期のような損失を出し続けると、当然のことながら安全性は損なわれていきます。

そもそも日産は、巨額の有利子負債を抱えています。1年以内に返済義務のある「流動負債」の有利子負債は、3兆4322億円。1年以上かけて返済する義務のある「固定負債」の有利子負債は5兆5131億円ですから、資金繰りは楽とは言えないのです。

中長期的な安全性を示す「自己資本比率=純資産÷資産」を計算しますと、24.9%。今のところ安全水域ですが、もし今後も赤字を出し続けてこの数字が20%を割り込むようなことがあれば、安全性に懸念が出てきます。

前述の通り、今期は営業損益の段階で赤字に陥っており、本業の不振が続いています。さらには7工場の閉鎖に伴う生産規模の縮小に加え、人員整理などの追加費用が発生する恐れもあります。短期的には凌げるでしょうが、予断を許さない状況であることに変わりはありません。今後はいかにうまく縮小均衡を図れるかどうかが、最大のポイントになるでしょう。

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