これから10年、20年といった期間を勤める可能性がある会社を選ぶのに、「今」の情報だけで判断していいのか、そう疑問に思っています。
では企業の未来を映す指標は何か。それが株式時価総額です。
時価総額は株価に発行済み株式総数を掛け合わせたもので、会社全体の価値を株式市場が示した値であり、次の式でも求められます。
PERとは、その企業が将来にわたって利益をどれだけ積み上げられるかを、世界中のあらゆる投資家が見立てた倍数です。今の利益が100億円あるとして、それが将来20倍まで積み上がるだろうという全投資家の総意が掛け合わされて、時価総額2000億円が導かれます。「今の実力」と「将来の期待」を1つの数値に凝縮したものとも言えます。
ベンジャミン・グレアムの言葉
顧客満足、ESG、社会貢献……。会社の価値に対する考え方はさまざまですが、それらも含めたすべては将来にわたって創出するであろう「利益」に集約されます。ですから、時価総額は上場企業の価値を正しく表すのです。
「バリュー投資の父」として知られ、ウォーレン・バフェットの師でもあるベンジャミン・グレアムは、こんな言葉を残しています。
「株式市場は、短期的には人気投票だが、長期的には正しい秤だ」
株価・時価総額、短期では気まぐれに動くこともしょっちゅうですが、中長期で見れば企業の価値を正しく表すというわけです。完璧とまでは言いませんが、「ほかのどの指標よりもマシ――Better than the others」なのです。
話を就職ランキングに戻しましょう。時価総額をそのまま就職の指標として使うには、1つ工夫が必要です。
従業員数の多い大企業は、時価総額の絶対値でも上位に来やすいからです。ここで大切なのは「会社の規模」ではなく、「自分1人が世の中にどれだけの価値を生み出せるか」という視点です。そこで、時価総額を従業員数で割ります。
これは、「自分を含む社員1人ひとりが、将来にわたって生み出すであろう利益の累積額」を意味し、その数値が高い企業で働くということは、自分自身が世の中に対して創出できる価値が大きいということを表しています。





















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