「契約更新されるだろうか」「また給与が下がるのか」…社員時代には考えもしなかった不安に怯える"60歳再雇用のリアル"

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継続勤務者の年収のボリュームゾーンは、60代前半が「400万~600万円未満」、60代後半は「200万~400万円未満」ですから、やはり、このあたりがひとつの目安になりそうです。

もう一歩突っ込んで、60歳定年企業と65歳定年企業の年収変化率を比較してみます。

60歳定年企業の場合は、

・60歳で定年になり30%減額
・65歳で定年後再雇用になり21%減額
・60歳から通算で44.7%減額

65歳定年企業の場合は、

・60歳で21%減額
・65歳で定年後再雇用になり25%減額
・60歳から通算で40.7%減額

このように65歳までの通算では65歳定年企業のほうが年収低下幅はやや小さくなっています。

特に、60代前半においては、年収低下幅が1割ほど違います。やはり、企業からすると、再雇用のほうが処遇を下げやすく、雇用も柔軟に対応できる可能性があるということです。

60歳時の年収低下幅から見ると

『定年前後のキャリア戦略-データで読み解く60代社員のリアル』
『定年前後のキャリア戦略-データで読み解く60代社員のリアル』(中公新書ラクレ)。書影をクリックするとアマゾンのサイトにジャンプします

65歳定年の企業のほうが、60代の雇用に比較的前向きだといえますが、60歳定年の企業とスタンスが決定的に違うのかといえば、65歳定年企業でも年収が下がることに変わりはなく、程度問題に過ぎないとも言えます。

その意味では、定年が60歳か65歳かの違いよりも、60歳時の年収低下率のほうが明確に60代の雇用に関する自社のスタンスを判断できるかもしれません。

定年が60歳でも65歳でも、60歳時の年収低下率は「30%程度」が最多であり、平均も28%なので、このあたりが現状の相場観ですが、年収低下率は企業によって大きく異なります。当然、年収を下げない企業と50%下げる企業とでは、60代の雇用に対するスタンスが同じであるわけがありません。

60歳時の年収低下幅をもとに、ざっくり企業のスタンスを判断すると、

・変わらない、または上がる 60代活用に積極的な企業
・低下幅20%程度未満 60代雇用に比較的積極的な企業
・低下幅30%程度 様子見の企業
・低下幅40%程度以上 60代雇用に消極的な企業

と見れば、当たらずとも遠からずです。

藤井 薫 パーソル総合研究所シンクタンク本部 上席主任研究員

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ふじい かおる / Kaoru Fujii

パーソル総合研究所シンクタンク本部 上席主任研究員。電機メーカーの人事部・経営企画部を経て、総合コンサルティングファームにて20年にわたり人事制度改革を中心としたコンサルティングに従事。その後、タレントマネジメントシステム開発ベンダーに転じ、取締役としてタレントマネジメントシステム事業を統括するとともに傘下のコンサルティング会社の代表を務める。 2017年8月パーソル総合研究所に入社、タレントマネジメント事業本部を経て20年4月より現職。タレントマネジメントを中心とした調査研究を担当。人事専門誌などへの寄稿も多数。

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