「契約更新されるだろうか」「また給与が下がるのか」…社員時代には考えもしなかった不安に怯える"60歳再雇用のリアル"
再雇用は、たいてい1年か半年単位の雇用契約を65歳まで更新していくかたちになります。
たとえば、再雇用になって3カ月目に健康を損ねて、仕事に支障がある状態になったとしましょう。半年契約であれば、3カ月後の契約期間満了時におそらく契約更新されることはなく、そこで雇用契約は終了です。
勤めている企業の規定によりますが、正社員であれば、休職制度が適用されるかもしれません。再雇用の場合は、休職制度があったとしても契約期間をまたぐような長期の休職が認められることは、ほとんどないと思われます。また、企業によっては、法定外の福利厚生の適用範囲が異なっていたりするかもしれません。
そして、再雇用は短期間の契約を繰り返すわけですから、企業にはその都度、処遇を見直す機会があります。正社員として雇用し続けるよりも処遇変更に対応しやすいわけです。
「再雇用で1年契約になったんですが、毎年契約更新の時期になると『契約更新されるのかな』『また給料が下がるのかな』って不安になって、上司の顔色を窺う感じです。正社員だった頃は考えもしなかった心配事です」
もちろん、処遇を見直すといっても、企業のやりたい放題ということではなく、「同一労働同一賃金」の原則などを考慮する必要があります。
ちなみに、同一労働同一賃金の原則とは、雇用形態にかかわらず、同じ仕事であれば同じ賃金を支払うべきだという考え方です。
2020年に施行された「働き方改革関連法」のパートタイム・有期雇用労働法では、まったく同じ仕事でなくても職務内容や責任範囲、能力・経験、貢献度などが同程度であれば、正社員との不合理な待遇差を設けることを禁止しています。
同一労働同一賃金の原則は、定年後再雇用者にも適用されます。
「仕事はまったく変わっていないのに、再雇用になったとたん給与が3割減りました。同一労働同一賃金という法律があるらしいけれど、これって法律違反じゃないのか不思議です。どこかに相談できるなら相談したいです」
そんな声も少なくありません。実際のところ、60代の処遇はタテマエとホンネが交錯しています。60歳を過ぎたら給与がどうなるのか、60歳定年と65歳定年では処遇がどれくらい違うのか、そのリアルを見ていきましょう。
60、65歳の年収減額相場
これまで勤めていた会社やそのグループ会社で継続勤務する60代には、60歳と65歳の2回、処遇ダウンの危機が訪れます。
60歳の時に平均28%ダウン、65歳の時には平均23%ダウンです。一方で、それらはまさに「平均」に過ぎず、実際の年収変化の分布をみると、企業によってバラツキが大きいことがわかります(図表11)。




















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