そのために工藤さんは今、いろいろな仕込みを始めている。オフィスとしてだけ使ってきた建物をさまざまな用途で地域に開こうとしているのである。もともと2軒だった住宅を合築しているので全体で190㎡ほど。広く、出入り口も複数あるため、部分ごとに使えるのだ。
まず、道路に面した、これまで打ち合わせなどに使っていた部分を飲食店として使えるように改装しており、保健所の許可を経て3月3日に開業した。開店前から地元の人達が立ち飲みできる場所として勝手に集い始めていたそうで、今後もにぎわいを創出するだろう。
また、2階には宿泊できる部屋を作ってあり、そちらは民泊として運用する計画。
それ以外には2026年2月から1階に地元の女性がマッサージの店を出した。ひとつの建物にさまざまな用途が生まれ、人が集まるようになるのだ。
「できることはまだまだあります」
「金沢駅からは多少距離があるものの、このところ、お隣の大野も含め、欧米の人を中心に観光客も見かけるようになりました。そうした人達も視野に入れればできることはまだまだあります。
金石は全体で2000世帯くらいある広い地域で30軒再生したといってもたかが知れていますが、そこに店舗が入るようになると変化は加速するはずです」(工藤さん)
工藤さんは拠点を持ったときから“飲食は必ず金石エリア内で”を実践しており、地域の人たちと接し続けてきた。何軒か、再生した建物を見せていただいたが、それぞれに旧町名を記した看板を掲げており、それが地元で評判を呼んでいる。
工藤さんの地域をリスペクトする気持ちと行動が、まちを動かし始めたのである。
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