プーチンと歩調を合わせるロシア正教会の真意 侵攻を「聖戦」と呼び、西側を「悪魔主義」と断じるルーツはどこに?
ロシア正教会が戦争を支持する理由
ロシアによるウクライナ全面侵攻は、第二次世界大戦中のもっとも苛烈な戦いである独ソ戦の1418日を超えた。いまも激戦地である東部ドンバス地域では2014年4月から戦闘が続いているから、当地の人びとはすでに10年以上も戦争状態の不安定な生活のなかに置かれていることになる。
この戦争を、ロシア連邦が認める主要な伝統宗教組織は軒並み支持している。ロシアは多民族・多宗教国家であり、最大の宗教組織であるロシア正教会の動向のみを観察して、この戦争の宗教的要因を語ることはできない。
そうした留保のうえで、この戦争をロシア正教会が支持する理由について考えるならば、ロシア正教会の個別特殊性に単線的に帰せないことは明白だろう。
つまりロシア正教会が属する東方正教会というキリスト教の宗派は、世俗権力に従う伝統をもっているとか、ロシア正教会は数世紀にわたって、国家の管理下に置かれてきたので、宗教組織というよりも国家機関なのだとか、プーチン大統領とモスクワ総主教キリルは盟友で、ソ連時代のキリルは国家秘密警察(KGB)のエージェントだったのだ、というような説明のみでは不十分だ。これらの説明は部分的に事実であるが、これら複数の要因を複合的に検討することが必要なのである。




















