20代7割は前向きなのに上司は"忖度"「飲み会スルー」の苦悩 ハラスメントの恐怖を盾にコミュニケーション取らず…?

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では、若手社員たちは上司との飲み会に何を求めているのか。

飲み会に参加したい理由として「上司や先輩とコミュニケーションを取りたい」「仕事や職場の話を聞きたい」などの声が聞こえてくる。

現代の若手社員は、自身のキャリア形成や自己成長、職場での円滑な人間関係構築のための「学習と成長の場」として、上司との対話を渇望しているのだ。

上司が「迷惑だろう」と忖度して誘わなければ、部下はこの機会を失う。上司の過剰な忖度が、部下の成長機会を奪っているとも言える。

上司の忖度は「大いなる勘違い」

ここまで読んで、気づいた方も多いだろう。上司は大いなる勘違いをしている。

「部下は飲み会を嫌がっている」「誘ったら迷惑だと思われる」「ハラスメントだと言われるかもしれない」

こうした思い込みに基づく忖度が、上司の行動を縛っている。しかし実際には、部下の7割は前向きなのだ。上司が勝手に忖度して萎縮しているだけである。

もちろん、すべての部下が飲み会を歓迎しているわけではない。しかし、だからといって誘うこと自体を避ける必要はない。断る自由を残しておけばいいのだ。上司の忖度は、完全に的外れだったのである。

では、なぜ「若者の飲み会離れ」という言葉が定着したのか。その原因は、「交流すること」自体が嫌われているのではなく、「昭和・平成型の旧態依然とした飲み会のスタイル」が現代の価値観と衝突している点にある。

三和酒類と九州大学などの研究者が共同で設立した飲酒科学振興協会の『会社飲み会における満足度とストレス要因の実態調査』によると、参加者が飲み会に「強いストレス」を感じる要因の上位には、

(1) 酔っ払いによる騒音や迷惑行為
(2) 気分・体調が優れない
(3) 上司の振る舞い

が挙げられていた。

ハラスメントの概念自体も「進化」している。かつてのアルコールハラスメントといえば、イッキ飲みの強要や、飲めない人に無理やり飲ませる行為が中心だった。しかし現代では、「ステルス型アルハラ」と呼ばれる、空気や雰囲気による強制が問題視されている。

例えば、不参加だと非協力的だと見なされる。ウーロン茶を頼むと「飲まないのか?」と茶化される。事前に終わりの時間が知らされず、アポなしで二次会に連行される。

タイムパフォーマンスを重視し、プライベートと仕事の境界線を明確に引きたい現代の若者にとって、こうした「個人の自由と裁量を奪う同調圧力」こそが、飲み会を忌避する最大の理由なのだ。上司が忖度すべきは「誘うかどうか」ではなく、「どう誘うか」「どんな場にするか」なのである。

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