3.11で内定を捨て気仙沼へ 「復興まちづくり→探究学習の支援」手がけるNPO代表の物語《気仙沼から能登へつなぐバトン》

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ワークキャンプ事業の取り組みのなかで今、力を入れているのが、通信制高校生向けの「ちょいワークキャンプ」です。

気仙沼発、通信制高校生向け探究学習

多様化するカリキュラムを背景に、今や高校生の約10人に1人が通信制高校に通っています(文部科学省 25年度「学校基本調査(速報値)」より)。通信制高校の特徴は、必ずしも毎日は登校せず、レポート提出とスクーリング(面接指導)とテストによって3年間以上で74単位を取得するところにあります。

一般的に必要単位数が全日制や定時制と比べて少なく、平日の空いた時間を使って、生徒自身が学びたいことや取り組みたいことに時間をかけられます。一方で、生徒自身が積極的に動かなければ外とのつながりが希薄になり、「やりたいことがみつからない」という状態で固定化してしまう課題も抱えています。

通信制高校生5〜6人と大学生2〜3人で、地域のこども食堂や農業の現場に行く2泊3日のボランティア合宿はこんな内容です。リーダー決めから農家での手伝い、農家で手に入れた食材を持ってこども食堂に行き、メニューを考案し、調理や配膳の手伝い、子どもたちと食卓を囲み遊ぶ。

これらの工程を自分たちだけでつくり上げ、子どもたちのために自分たちで何ができるか、どう動けるか考え、行動に移せる環境を提供しています。

「山形県から参加した通信制高校生は、『自分で収穫した野菜を使った料理を、子どもたちがおいしいと食べてくれたことが、何より印象に残った』と話してくれました。

人の役に立ったという実感が、自分にもできるという自信につながっていくんですね。アルバイトとは違う社会経験を通信制高校生に提供していきたいと考えています」

子どもたちがきゅうりなどを収穫して楽しむ様子
通信制高校生向けの「ちょいワークキャンプ」で、参加者と子どもたちが野菜の収穫を行った(写真:まるオフィス)

震災から15年。あの日、何者でもない1人の大学生として現場に立った加藤さんの歩みは、いま、次の世代である若者たちの「自分にもできる」という手応えへとつながっています。誰かの役に立てたという実感が、彼ら彼女らがこれからの社会を歩んでいくための糧となるでしょう。

 

 

東洋経済education×ICTでは、小学校・中学校・高校・大学等の学校教育に関するニュースや課題のほか連載などを通じて教育現場の今をわかりやすくお伝えします。
中原 美絵子 フリーライター

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なかはら みえこ / Mieko Nakahara

金融業界を経て、2003年から2022年3月まで東洋経済新報社の契約記者として『会社四季報』『週刊東洋経済』『東洋経済オンライン』等で執筆、編集。契約記者中は、放送、広告、音楽、スポーツアパレル業界など担当。

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