本稿では、政府と日銀が1つの統合政府を形成していると考えて、国債だけでなく、日銀券も、政府債務とみなしていく。
まずは、大戦中のケースを振り返ってみよう。戦中の政府は、巨額の軍事支出の調達にあたって、税収に頼るところはわずかであって、そのほとんどが「返済の見込みのない」政府債務(主として国債と日銀券)によって調達されてきた。
たとえば、敗戦の前年の1944年、名目GNE(当時の経済規模は名目国民総支出で計られていた)が745億円であった時期に、その経済規模に匹敵する735億円の軍事支出のうち内地出費300億円は、①政府が家計に強制した貯蓄231億円と②闇市場からの日銀券需要64億円によってまかなわれてきた。
しかし、①と②の資金調達手段は、いずれも平時で決して考えられないものであった。
戦時中の「強制貯蓄」と闇市場の日銀券需要
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