「人間が大変なときに何をやってるんだ」…福島で飼い主と離れ離れになった犬猫保護"その後" 震災当時の猫5匹も暮らす

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この理由について福島県動物愛護センターに取材してみると、近年、殺処分数低減に注力しているのだという。

「所長になって現状を知った時、他県と比較して、福島県はどうして殺処分数が多いのか、県民性に違いがあるのか、と思い悩んだ。しかし地道に取り組めば、時間がかかっても必ず削減はできると思った。方針としたのは『残すこと』。著しく高齢、傷病などで健康状態が不良のもの以外は収容し、性格や健康状態を観察。成犬や成猫には不妊去勢手術を実施するほか、病気になった場合も可能な限り治療を施した。外科的治療を行う場合もある。

人に馴れない犬や猫も諦めず時間をかけて、譲渡につなげるようにした。現在、県内外の多くのボランティアのご協力をいただいており、犬猫に対するエネルギーと活動力には敬服している。立場は違うが目指すものは同じ。今後も連携協力をお願いしたい」(福島県動物愛護センター所長 野口みき氏)

二階堂氏の活動

こうした変化は、二階堂氏の尽力によるところも大きいだろう。同氏は福島の動物愛護を変えたいと、20年から福島市議会議員に。シェルターの仕事は基本的にはスタッフやボランティアに任せているという。ペットの同伴避難、殺処分ゼロ、不妊手術、地域猫などの活動を進めている。

ただ、聞くと、自宅にも犬2匹、猫11匹がいて、その世話にも追われる毎日だという。

「シェルターは18時に閉まってしまうので、『もらってください』『助けてください』という電話が私に直接かかってくるんです。シェルターではすでに手一杯なので、これ以上増やすわけにいかない。結局自分で飼うことになりました」(二階堂氏)

最後に、防災を見据えて、飼い主にはどのような心構えが必要か聞いてみた。

まずこれからペットを飼おうと思っている場合は、「家族が増える」という意識で、災害時も家族と同様に扱うことを覚悟してほしいという。また、ペットがいる人については、災害時に何が起こるかしっかりシミュレーションした方がいいそうだ。

二階堂氏や保護団体のようなボランティアたちは、万が一の際も逃げずに動物を守る覚悟でいるという。

「というより、正直、数が多すぎて逃げられないんです。犬や猫の保護を安易に頼む方がとても多いですが、私たち保護をしている団体や個人ボランティアに保護を依頼するときには、私たちがそこまでのリスクを背負っているということを、ご自身の身になって考えてほしいんです」(二階堂氏)

SORAアニマルシェルターの今の課題は、人手不足だ。スタッフ2名のうち1名がやめてしまい、ボランティアを頼りに運営を続けている。なかなか動物愛護の意識が高まらなかった福島県だが、近年、少しずつ光が見えてきた。ただ、待ったなしの状況が続いていることに変わりはない。

圓岡 志麻 フリーライター

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まるおか しま / Shima Maruoka

1996年東京都立大学人文学部史学科を卒業。トラック・物流業界誌出版社での記者5年を経てフリーに。得意分野は健康・美容、人物、企業取材など。最近では食関連の仕事が増える一方、世の多くの女性と共通の課題に立ち向かっては挫折する日々。contact:linkedin Shima Maruoka

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