「僕はもう邪道中の邪道」「番組が低視聴率で思い知った」…過去の失敗も赤裸々に語る、《古舘伊知郎》71歳の現在地
そうした決意のもと、はじまった「報道ステーション」は2004年から16年まで、12年間続いた。
「12年経って、またスポーツ実況やバラエティに戻れるかなと思っていたんですが、12年間のブランクは大きかった。ちょっと時代とずれてしまい、番組が低視聴率で終わったときに思い知りました。都合よく違う世界に行ったくせに、なに都合よく戻ってこようとしてんのって。そうは問屋が卸さないんだ、都合のいいときだけ里帰りしようとするなよって。自分に突っ込みを入れまくりました」
挫折も赤裸々に語る古舘氏だが、そんな彼のライフワークとなっているのが、人間が不変的に持っている悲しみ、嘆き、苦しみ(Blues)をマイク1本で、およそ2時間にわたって語り続ける“言葉のライブ”「トーキングブルース」だ。
昨年12月から全国ツアーが行われ、3月7日に大阪のZepp Namba、20日に神奈川のKT Zepp Yokohamaでの公演が行われる(神奈川は予定枚数終了)。「トーキングブルース」が扱うネタは政治、経済、時事など多岐にわたり、古舘節全開の言葉でしゃべり続けていく。
“最悪の本番”をやれば身が引き締まる
「昔は、渋谷のパルコ劇場で毎年5日間やっていた時期もありました。そのときに感じたのは、初日のお客さんってあったかいんだということ。荒削りを楽しみにしてるから。
そして2日目以降になると、だんだん角が取れていって、丸くなって聞きやすくもなるんですけど、ちょっとつまんなくなったなとも言われるようになる。どこかで緊張が解けるんですよね。脳ってのはうまくできていて、どこかですぐ緩もう、遊ぼうとするんですよ。だから“最悪の本番”というのをやっておけば身が引き締まる、ということはありますね」
“最悪の本番”ということで思い出すことがあった。それは「報道ステーション」のキャスター時代に休止していた「トーキングブルース」を、一夜限りで復活させた14年のことだった。
「フリーになってから30年、『報道ステーション』を始めて10周年の記念と称して、ワンナイトだけ『トーキングブルース』をやったんですよね。ただ『報道ステーション』を月金でやって。下手したら土日は被災地に取材行ったりしていたんで、休みがなかった。
本番の前日も、夜中の3時とか4時まで練習するんで疲れきって、もうボロボロですよ。絞りきった雑巾で、何も言葉が出てこない。周りのスタッフも心配してくれたんですけど、本当に背筋の寒い思いをしました」





















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