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お目当ては「店そのもの」 工場の片隅の弁当店に全国から人が集まる"不思議" 20年前に姿を消した「サラヤ」の面影を求めて

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田中さんの並々ならぬサラヤへの愛と熱意。6年の時を経て、再びサラヤへの“復帰”を果たした。

以降、田中さんは欠勤したことがないそうだ。「ここを任されてから皆勤賞なんです。コロナもインフルもかかったことがない。だってここを開けなきゃいけないから」と田中さんは笑う。

弁当販売の思い出をくしゃくしゃな笑顔で「幸せいっぱいです」と振り返る田中さん(写真:筆者撮影)

いつしか、社員にとってもなくてはならない場所になっていた。2024年、社員数名が参加する社内塾で「ブンセンを伝えようプロジェクト」が立ち上がり、そのなかのひとつに「ショップ改修」が上げられ、採用されたという。

風雪にさらされてボロボロになったテント、色あせた外観。そしてクロスが剥がれた内装、シャッターなど、数十万円かけて店を修繕した。テントはもちろん特注だ。

ショップは、新店のように生まれ変わった。そしてその姿が、思いがけない形で全国に広がることになる。

改修され、今も現役で営業を続ける(写真:筆者撮影)

「ショップを一目見たい」全国から聖地巡礼

2025年5月、コンビニ大手セブン‐イレブンが、かつてサラヤで人気を博した「サラヤのむすび」を再現した商品「唐揚げおむすびセット」を中四国地方限定で販売した(※2026年2月現在も販売中)。

SNSでは「懐かしい」という声が広がるなか、「兵庫県にサラヤが1店舗だけ現存している」という内容の投稿が拡散。続いて、地元メディアもこれを取り上げた。

大きく拡散された投稿やニュース記事をきっかけに、全国から店を訪れる人が増えたという。

「島根や和歌山からわざわざ来てくれはって、ほんまにびっくりです。『のりむすびはある?』と聞かれて『ないんです』というのが心苦しくて。でも、またこの店を見られてよかった、ここで買うと幸せな気持ちになると言うてくれはる。ありがたいことです」(田中淳子さん)

田中さんと社員の会話は、まるで漫才のよう。笑い声が絶えない(写真:筆者撮影)

訪れるのは、かつての常連客だったという人もいれば、昭和の面影を求めてやってきた若い世代もいる。『24時間戦えますか』のテレビCMが流行った時代のおむすびや弁当が、彼らを支えていたのだろうか。はたまた、大切な家族や友人と出かけた先での思い出の味なのだろうか。

どちらにしろ、見る人それぞれのノスタルジーを呼び起こす象徴には違いない。

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【海苔つくだ煮「アラ!」の製造で知られるブンセン】

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