お目当ては「店そのもの」 工場の片隅の弁当店に全国から人が集まる"不思議" 20年前に姿を消した「サラヤ」の面影を求めて

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サラヤの歴史をひもといたところで、冒頭の兵庫県に残る「現存する1店舗」に話を戻したい。

本家の三島食品でさえ2025年まで把握していなかったという、サラヤの“生き残り”。現存する最後のサラヤの店名は「ブンセンニギー」だ。

海苔つくだ煮「アラ!」で名を馳せる食品メーカー「ブンセン」が運営する。取扱商品は、自社製造のおにぎりや冷凍おかずセット、カップ麺などだ。

ブンセンニギー
ブンセン製造の個包装のおにぎり(各130円)と冷凍おかずセット(400円)、そしてカップ麺やインスタント汁ものが主なラインナップ。おにぎりとおかずをセットで買うとワンコインの500円になるのもうれしい(写真:筆者撮影)
ブンセンニギーで売られている商品
ブンセンの看板商品、海苔佃煮を具材にした「アラ!」のおにぎり。おかずはメインと副菜2種入って400円(写真:筆者撮影)

なぜ1店舗だけ残ったのか?

そもそも、20年以上前に「閉店」しているはずの店舗が、なぜ今も営業しているのか。ブンセン総務部長の髙島宏明さんに話を伺った。

「40年以上前のことなので、詳細を知る者が私を含めていません。ただ、当時の社内報によると、サラヤへのフランチャイズ参入は、社をあげての一大プロジェクトでした。

のりむすび専用の工場を新設し、立ち上げメンバー総出で三島食品に研修を受けに行ったようです。1979年に、姫路市やたつの市といった兵庫県西部を中心に出店しました」

当初の目標は40店舗。想定以上の売れ行きを記録し続け、ピーク時には目標の2倍以上の98店舗まで数を増やしたという。サラヤが集計した最大店舗数の15%弱を占める。当時のロードサイドの弁当需要の高さがうかがえる。

しかし、ブンセンもまた時代の流れには抗えず弁当事業を縮小し、2000年にフランチャイズから撤退した。

「1店舗だけは、社員向けの売店として利用するために残したようです」

撤退以降も、当時の店舗デザインのまま、20年以上活用し続けている例は珍しい。その背景には、隠れた立役者がいた。店頭に立ち続ける女性、田中淳子さん(66)だ。

田中淳子さん
23歳からサラヤミニショップで働き続ける、田中淳子さん(写真:筆者撮影)
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