運べば運ぶほど赤字…出版物流を襲う「雑誌激減」の深刻。コンビニ配送撤退の裏で取次が白旗を上げるXデー

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出版界の未来を左右する残酷な真実をお話しします(写真:Himakina/PIXTA)
「本を運べば運ぶほど赤字になる」。かつて出版流通を支えた雑誌の激減により、日本の書籍配送網は今、業界全体を揺るがす危機に瀕しています。トラック新法によるさらなる運賃高騰が懸念される中、大手取次のコンビニ配送撤退という衝撃的なニュースの裏には、「大手企業の宿命」とも言える葛藤が隠されていました。
このまま「産業の血管」が詰まるのを待つしかないのか……? 出版界の未来を左右する残酷な真実を浮き彫りにします。
※本稿は『書店を守れ!』から一部抜粋しています。

日販がローソン、ファミリーマートへの雑誌配送を撤退

今、取次に大きな危機が迫っています。ここ30年、書籍と雑誌の売上は右肩下がりで減少を続けています。売れる量が減っているということは、取次が運ぶ量も減っているということ。

出版市場が元気だった頃は、雑誌を満載したトラックに、おまけのように書籍も積むことで、きわめて廉価な配送料で本を運んでもらうことができました。しかし、紙の雑誌の売上が壊滅的な状態に陥っている昨今、取次は荷台の床が見えるようなトラックを走らせざるを得ません。一度に運ぶ量が減るなら、当然ながら物流コストは割増しになります。

新聞でも大きく報道されたことなのでご存じの方も多いでしょうが、大手取次の日販は2025年2月をもって、ローソン、ファミリーマートへの雑誌配送から撤退しました。みなさんが今、これらのコンビニエンスストアで目にする雑誌は、業界最大手のトーハンが運んでいます(セブン-イレブンへの雑誌配送は、もともとトーハンが請け負っていました)。

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