「価値観が異なる家庭の子どもと遊ばせたくない!」と言う親を児童精神科医が一刀両断《不足している人間関係の絶対量》

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ご相談者の方は、ご自宅を開放してお友だちを受け入れているように感じられました。これはとてもよいことです。いろいろご事情はあるでしょうが、ぜひ多くの人に見習ってほしいと思います。

週に一度でもかまいません。できるだけ自宅を開放して、多くの子が安心して交われる場をつくってあげてください。もちろん「うちの子がいないときはダメだよ」「○時になったら帰ってね」といったルールは決めていいです。よその子でも、しかっていいのです。堂々と、自信をもって、わが子とその友だちを見守ってください。

そしてわが子には「きれいなものも汚いものも、全部拾って帰ってきていいよ。いいか悪いかは、親が、家で、しっかりと教えてあげるからね」と、そのような姿勢でいてください。子どもの社会性がのびのびと育っていくと思います。

人と交わる力の根底にある「信じる力」

自然に人と交わることのできる人に共通するのは、「人を信じる力」をもっている、ということです。

この力はいつ育つのかというと、赤ちゃんのころからでしょう。「ママは泣いたらあやしてくれる」「おなかがすいたらミルクをくれる」と信じるから、赤ちゃんは泣くのです。そして実際に親はそうしてくれるので、親子の間には強い信頼関係が築かれるのです。

成長にともなって信頼の対象は、祖父母や親戚、園や学校の先生たち、そして友だちへと広がっていきます。人を信じる力が着実についている証拠です。

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一方で、「人を安易に信じていいのか?」という議論もあります。子どもを狙う事件が起きると必ずそう言われます。

でも、大丈夫です。人を信じる力は、信じられない人を見分ける力でもあるのです。信じるべき相手をちゃんとわかっている人は、やみくもに人を信じたりはしません。逆に信じる力の弱い人ほど、信じてはいけない人を信じてしまう傾向があります。

信じる力の源は、親子の信頼関係です。もしそこに不安がある場合には「子どもの望みをできるだけかなえる」という原点に立ち戻りましょう。

改めて佐々木正美さんの言葉が令和の子育てに響いています。
【あわせて読む↓↓】
1本目:「よその子と比べてしまう」親がまず見直したいのは子どもではなく自分《令和の子育てに再び響く児童精神科医の教え》
2本目:「発達相談を受けてみては?」——担任の言葉に戸惑う親へ児童精神科医が忠告、「普通の子」願うのは過剰期待
佐々木 正美 児童精神科医

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ささき まさみ / Masami Sasaki

1935年群馬県前橋市生まれ。新潟大学医学部医学科に編入学し、1966年同校を卒業。その後、東京大学で精神医学を学び、同愛記念病院に勤務。1970〜1971年にブリティッシュ・コロンビア大学に留学、児童精神医学の臨床訓練を受ける。帰国後は、国立秩父学園、東京大学医学部精神科に勤務後、小児療育相談センター(横浜市)、横浜市南部地域療育センターで児童臨床医として地域ケアに力をそそぐ。川崎医療福祉大学特任教授(岡山県)、ノールカロライナ大学非常勤教授、横浜市総合リハビリテーションセンター参与などを歴任。著書に『子どもへのまなざし』(福音館書店)など多数。2017年没後も、そのメッセージは多くの親たちを励まし続けている。

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