「中国の対米輸出が減ると日本が困る」データが示す"相関70%"を脱却する日本経済への処方箋

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不運なことに、日本は現在、すでにモノの輸出が弱い状態でこの局面を迎えている。2024年の輸出額は2018年をわずかに上回る程度で、成長のすべては、しばしば軽視されがちなサービス部門によるものだ。

対中輸出は2021年以降、円ベースで横ばいであり、2025年には日本の総輸出に占める中国の割合は2008年以来の低水準となった。一方、対米輸出は昨年4月のトランプによる関税発表以来、円ベースで前年比8%減少している。

日本は他国と協調してトランプに対処すべき

これまで日本政府は、一部の幹部が提案しているにもかかわらず、トランプの貿易戦争に対処するための他国との協調を拒んできた。筆者は協調すべきだというグループに賛成だ。

しかし、高市政権は前政権同様、日本は単独で行動し、高市早苗首相が安倍晋三元首相のような「微笑み外交」をトランプに仕掛けるほうが得策だと考えているようだ。政府の優先事項は自動車産業であり、激昂したトランプによる制裁を恐れている。しかし、2025年の対米自動車輸出は、すでに2023年より9%減少している。

貿易面での対策に加え、外部ショックに耐えうる国内経済のレジリエンス(回復力)を高めることが不可欠だ。そのためには、賃上げによって消費者需要を強化する必要がある。この点に関して、政府は口先ばかりで行動が伴っていない。

低賃金は生産性の低い企業への補助金となっている。賃金が上昇すれば、特に労働市場の流動性が高い国では、非効率な企業は規模を縮小するか廃業に追い込まれ、労働力と売り上げは、高い賃金を支払える生産性の高い企業へとシフトする。

スウェーデンはこの「高賃金戦略」を用いて技術水準を向上させることに成功し、高賃金でありながら自国民の長期失業率を低く抑えている。日本も同様の道を歩むべきだ。

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