「中国の対米輸出が減ると日本が困る」データが示す"相関70%"を脱却する日本経済への処方箋
これとは逆に、日本は円安を容認することで、生産性の低い輸出企業を延命させてきた。上場している製造業輸出企業587社のうち、かつては1ドル=100円でも利益を出せた企業が、2024年には127円もの円安を必要とするようになった。
輸出企業の6分の1は、150円から155円というさらなる円安を必要としている。非上場の輸出企業1万6000社は、さらなる円安を必要としているだろう。トランプの関税は、この損益分岐点をさらに円安方向へ押し上げたはずだ。
賃上げは、日本の輸出をより競争力のある企業へとシフトさせる強制力となる。逆に、円安は食料やエネルギー価格を押し上げ、日本の家計所得と消費に打撃を与える。
政府には賃金を引き上げるための方策がある。最も成功しているのは最低賃金の引き上げであり、年率約3%の引き上げにより、現在は1118円に達した。これにより2000万人の労働者が貧困ラインから脱した。
高市首相の前の2人の首相は、1500円という新たな目標を掲げた。しかし高市首相は11月、この目標を「非現実的」として退け、「最低賃金の数値目標を今設定するのは難しい。政府の仕事は、企業がインフレ率を上回る賃金を提供できる環境を整えることだ」と述べた。
賃金成長による内需主導型を目指すべき
選挙対策として、今夏に「現実的な」引き上げを約束する姿勢に転じたが、何が「現実的」かは不明だ。政府は、2025年の価格水準で1500円に達するまで、実質賃金3%成長を目指すべきだ。
次に、正規・非正規雇用間、および男女間の「同一労働同一賃金」を定めた現行法を厳格に運用すべきだ。これにより、現在差別されている労働者の賃金が引き上げられる。
フランスでは法の執行が徹底されており、同一職種の正規・非正規間の賃金格差はほとんどない。日本では、賃金格差を調査する政府機関すら存在しないのが実態だ。
これに対し、高市政権は大規模な財政刺激策と低金利が「高圧経済」を生み出し、自動的に賃金が上昇すると主張している。もしそれが本当なら、なぜ過去30年間、一度も成功しなかったのか。
日本には、トランプをなだめ、中国から離れる以外に選択肢がないと信じる理由はない。正しいステップを踏めば、日本は自らの未来を自ら決定することができるのだ。
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