「有酸素を長くやる」はもう古い?…脂肪を燃やし締まった健康的な体になるための《短時間・高心拍》トレの科学

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体脂肪は、体にとって「余計なもの」ではありません。生理学的に言えば、脂肪は人間が生き延びるために備えている、極めて優秀なエネルギー備蓄です。

脂肪のエネルギー量は大きく、脂肪1kgはおよそ7200kcal(キロカロリー)相当とされます。この数値だけでも、脂肪が簡単に手放されない理由が見えてきます。体にとって脂肪は、ただの飾りではなく「非常時に自分を守る資源」なのです。

体脂肪には役割があります。ざっくり言うと、次の3つです。

1 エネルギーの貯蔵(長期保存できる燃料タンク)
2 保護と緩衝(内臓・関節への衝撃を和らげる)
3 内分泌・代謝への関与(脂肪組織は代謝に関わる臓器的な側面も持つ)

つまり脂肪は、本来「あること」が問題なのではありません。問題になるのは、脂肪が使われずに残り続ける状態です。

体は使わないものを積極的に減らそうとしません。「今の生活では必要ない」と判断できるほど、はっきりとエネルギーを使う場面がなければ、脂肪は残ります。

本記事では、体についている量や状態として語るときは「体脂肪」、エネルギーとしての役割や性質を語るときは「脂肪」という言葉を使い分けています。

また体脂肪は、主に「皮下脂肪」と「内臓脂肪」に分けて考えます。内臓脂肪(腹腔内の脂肪)は、代謝リスクとより強く関連することが多く報告されています。この違いの詳細な説明はここではおいておきますが、まず「脂肪は単なる邪魔者ではなく、生きて行く戦略として蓄えられるもの」という前提を押さえておくことが大切です。

「食べ過ぎ」より「使われなさ」が問題

体脂肪が増える原因を、単純に「食べ過ぎ」「運動不足」で終わらせると、正しい対策にたどり着けません。もちろん摂取と消費の収支は基本ですが、現代において本質的なのは、脂肪を使う必要がある瞬間が、日常から消えていることです。

体は、入ってきたエネルギーを次の順で扱います。

1 まず「今すぐ使える分」を使う(血中や肝・筋の糖)
2 それでも余れば「貯める」
3 長期保存に最適な形として脂肪に回す

ここで重要なのは、脂肪は「余ったからつく」だけでなく、使われないから残るという側面が強いことです。とくに、生活の動きが単調になり、強度の高い動作(全身連動・高心拍・瞬間的な出力)が減ると、体は脂肪を動員しにくくなります。

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