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「夜勤4回でやっと普通」現役看護師が明かす"給与の中身" 病院奨学金で「お礼奉公」の不条理――看護師とお金のリアル

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学ぶ看護師
現在も多くの看護学生が利用している「病院奨学金」にはいくつかの問題が…(写真:Ushico/PIXTA)

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「看護師さんならお給料高くていいわね」
看護学生の頃から何度も聞いたこの言葉を、ずっと信じて疑わなかったが、「実は違う」と気づいたのは、看護師として働き始めて数年経った頃だった。夜勤をこなしてやっと世間並みの額、インフレでも上がらない、事務職より安い……。
看護の世界に何が起こっているのか――。看護ジャーナリストの筆者が真相を探った(「ナースクライシス」は5回の短期連載でお届けします。今回は3回目です)。

【1回目:"憧れの職業"に何が起きたか 「看護学校」定員割れの衝撃 「不要論」と「新たなニーズ」の間で揺れる准看護師という存在
【2回目:「未来に希望が見えない」19歳看護学生を自死に追いやったハラスメントの闇 教員・先輩・患者…逃げ場のない看護師たち

「看護師の給与は高い」の幻想

看護師の給与は国家公務員の「医療職俸給表(三)」を参考に決まる。その伸び率は、薬剤師や診療放射線技師と比べて緩やかなことが特徴だ。

都内の総合病院で働く看護師Aさん(30代・外科病棟)の給与明細を見せてもらうと、手当てなどを引かれていない総支給額(額面)が三十数万円。

一見低くない金額に見えるが、これは「4回ぶんの夜勤手当(夜勤1回で1万5000円)が含まれている」からで、これがなければ、同じ年代のほかの仕事よりも低くなってしまう。

「夜勤を増やせば収入は増えるが、夜勤と日勤を繰り返す生活は負担が大きい。結婚や出産、家族の介護などを考えたら、この働き方を何十年も続けられるだろうか」とAさんはため息をつく。

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【事務職のほうが高い「逆転現象」】

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