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「夜勤4回でやっと普通」現役看護師が明かす"給与の中身" 病院奨学金で「お礼奉公」の不条理――看護師とお金のリアル

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学ぶ看護師
現在も多くの看護学生が利用している「病院奨学金」にはいくつかの問題が…(写真:Ushico/PIXTA)
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特に、専門看護師は2年間の大学院修士課程を修了する必要があるため、その間は休職せざるをえないケースも多い。学費に加えて、その間の生活費の負担も重くのしかかる。

しかし、このような自己投資に対して、病院からの支援体制は十分ではないのが現状だ。

その理由は、現在の診療報酬上、認定看護師・専門看護師の専門性や役割の広範さに対して、診療報酬による評価が追いついていない点にある。

つまり、認定看護師や専門看護師を配属しても、病院側は収入面としてのメリットがそれほどない。そのため、積極的に資格取得を後押しする動機に乏しく、自己研鑽として個人に委ねざるをえない。

専門性を獲得しても報われない

また資格取得後のメリットもさほど多くない。資格手当として数千~数万円支給されることが多いが(なかには手当がない病院もある)、高い専門性に見合っているとはいえない。

いくら働いても、専門性を獲得しても報われない「自己犠牲」で成り立っている―――これが今の看護師の実態だ。

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なお、このほど発表された2026年度の診療報酬改定では、約30年ぶりとなる大幅な賃上げが実現し、看護師は2026年度はプラス1.23%に、2027年度にはプラス2.18%と、段階的に上がっていく見込みだ。

これによって、他の産業と同等の賃金水準を目指し、人材不足解決の一手となることを目指している。

今後、専門性の高い看護師の仕事を診療報酬の加算として適切に評価する仕組みを作ることが、持続可能な医療提供につながると期待したい。

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