震災から15年「東北の鉄道」は復興を遂げたのか 石巻周辺を撮り続けた写真家が見た「真実の姿」

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仙石線のマンガッタンライナーは2編成あったが、初代は2025年3月23日、2代目も同年12月7日にラストランを迎えた。現在活躍しているマンガッタンライナーは仙石東北ラインに夢編成・風編成の2編成である。

仙石線205系のマンガッタンライナーは2003年の初代デビューから22年もの間、走り続けてきた。ラッピングトレインの運行期間の長さとしては異例中の異例だ。沿線に暮らす人にとっては、もはや特別な列車ではなく、乗れたり見られたりするとちょっとラッキーな気持ちになる、心に彩りを添えてくれる存在だった。ラストランの日の石巻駅や沿線には鉄道ファンのみならず、そこに暮らす大勢の市民が訪れ、あたたかな空気に包まれた。

2025年12月7日、マンガッタンライナーIIラストランには大勢の方が詰めかけた。鉄道イベントというよりも石巻が大好きなみなさんが集う、街のお祭りのような雰囲気だった(筆者撮影)

昨年、2025年12月1日に新型E131系が仙石線にデビューした。12月7日のマンガッタンライナーII引退までの1週間のみ、E131系と205系マンガッタンライナーが仙石線を走る光景がかなった。仙石線に新型車両が投入されるのは約80年ぶりのことであり、震災の前から走り続けてきた205系の引退と新型のデビューは仙石線としてだけではなく、街にとっても大きな出来事となった。2026年3月中には仙石線のすべての車両がE131系に置き換わる予定だ。

仙石線の今

「M16」という存在をご存じだろうか。これは仙石線の205系M16編成のことで、この編成は仙石線と震災を語る上では切っても切れない存在である。現在はすでに引退したが、その直前に歴史的にも貴重な1枚の撮影に向かった。その場所は野蒜(のびる)駅付近にあり、かつて仙石線の線路だったルートが遊歩道として整備されている。内陸移設でルート変更された新しい仙石線の線路を、旧線だった道から望むことができる。

かつての線路だった遊歩道から、内陸移設された高架をゆくM16編成を捉えた1枚。この車両は地震発生直後、私の撮影している位置付近に止まり、津波から逃れることができた奇跡の車両(筆者撮影)

M16編成は3月11日、下り快速列車の石巻行きとして野蒜駅を発車直後に激しい揺れに襲われ、列車はこの写真を撮っている私の立ち位置付近に停車した。「この位置は高台だから列車から降りないほうがいい」と、この付近に暮らす土地に詳しい乗客が乗務員に伝え、避難をせずにとどまった結果、津波を免れた奇跡の車両なのだ。そのM16をかつて走っていた道から撮ることは、今後語り継ぐために必要な写真であり、大きな1枚になった。

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