これらの問題は、高校3年生の付け焼き刃でなんとかなる問題ではありません。高校1・2年生のころから、さまざまなことについてディスカッションをしたり、探究活動に取り組んだり、文学・哲学・社会問題にふれて深く考える経験を積み重ねてきた人が、初めてこのような問いに対して自分の言葉で答えられるのです。
今年の入試問題を見る限り、知識量だけで解ける問題が出る時代はもう終わりだと思います。それをはっきりと示したのが、26年の入試だったのではないでしょうか。
「高3から1年でけりをつける」は、もはや通用しない
自分は2浪して東大に合格しました。その経験をもとに「ドラゴン桜」の編集に関わり、「効率的な勉強法で逆転合格を目指す」というメッセージを多くの受験生に届けてきました。
でも、正直に言えば、今年の入試を見て思ったのは「高3から始めて1年でけりをつける」というスタイルは、もはや通用しにくくなってきているのではないか、という所感です。
かつての入試であれば、正しい勉強法を身につけ、効率よく知識を積み上げれば、たとえ高3からスタートしても逆転合格は可能でした。ドラゴン桜の桜木先生が教えていたのもそのやり方です。
しかし今の入試が問うているのは、短期間で詰め込めるような知識ではなく、長い時間をかけて培ってきた「思考の深さ」や「問いを立てる力」です。自由英作文の例で言えば、「強さとは何か」という哲学的な問いに向き合う習慣は、1年やそこらで身につくものではありません。受験生にとって、なかなかつらい時代になってきたと言わざるを得ません。
さらに、東大は来年から新しい学部を設置します。それにともない、一般入試の定員が100人減少します。
その分、総合型選抜(AO入試)や学校推薦型選抜の枠が増えていきます。つまり、これからの東大入試は二重の意味で「知識一辺倒では通らない」構造になっていくのです。一般入試は枠が減った上に問題は難しくなり、選抜の場そのものが多様化していく。一般入試で戦いたいと思っている受験生にとっては、より過酷な環境になることは間違いありません。




















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