大学教授のトリセツ【実践編】転身前に知るべき「4つの実態」、シビアな業績至上主義と狭き門を突破する秘訣&年収事情

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書類選考で絞り込み、面接に加えて模擬授業を行わせる大学も増えている。そして、この判定結果が人事委員会にかけられる。そこで残った人が教授会(だいたい講師以上)で合意されれば採用決定となる。

このように、専任教員として就職するには、いくつかの高い壁を飛び越えなくてはならない。それでも、専任教員として採用されれば、大学の先生は気楽な稼業と言われた時代があった。研究室で研究に没頭し、週数コマの講義を担当するだけ。企業のような売上ノルマもなく、のんびりとした職業というイメージをいまだに持たれているようだ。

だが、この認識はすでに過去のものになっている。専門性と成果、および組織人としての適応力を同時に求められる、決して甘くない職業だ。とはいえ、研究実績と教育能力という大学側の評価指標を客観的に満たせば、採用への道は開ける。博士の取得、査読論文に加えて、企業経験を大学が求める形にして学術的に表現する作業を着々と進めればいい。

「70歳まで働くんじゃなかった」

今や、大学の定年年齢は民間企業とあまり変わらない。65歳以上、さらには70歳を超えても教壇に立っている教授はいるが、1年更新の契約である場合が多い。

現在40歳そこそこで大学の世界に飛び込めば、還暦を迎えたとき、日本の大学がどうなっているか考えたことがあるだろうか。

定年後、国立大学から地方の小さな私立大学へ移った教授は、「70歳まで働くんじゃなかった。人生の大切な時間を無駄にした。話を聞いてくれない人たちに向かって話をするほど辛いことはない」と後悔していた。

実務家教員として活躍している人たちが皆、この老教授と同じような思いをしているわけではない。学生の成長を間近で見られることが何よりの報酬だと思い、前向きに取り組んでいる人にも出会った。

偏差値が決して高くない地方の私立大学でも、国立大学の学生には負けない意欲と才能を発揮する学生がいる。筆者もそのような大学で指導したが、ゼミから2人の起業家が誕生した。卒業後、10年近くして再会すると、見違えるほど立派な社長になっていた。

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